SEMICON Japan、2013年以降最大規模で開催へ:半導体市場の好況が続く中
SEMIジャパンは2018年12月11日に記者会見を開催し、同月12日から始まるエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2018」の概要を説明した。
2013年以降、最大規模での開催
SEMIジャパンは2018年12月11日に記者会見を開催し、同月12日から始まるエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2018」の概要を説明した。
1977年に第1回が開催されたSEMICON Japanは、今回で42回目を迎える。SEMIジャパン代表を務める浜島雅彦氏は、「今回も2017年に引き続き『マジックが起きる』をテーマとした。エレクトロニクス/半導体業界は、イノベーションがずっと起き続けている分野。SEMICON Japanは、それを感じられる展示会だと思っている」と述べる。
SEMICON Japan 2018は出展社数が727社。小間数は1881と、2013年以降、最大規模となった。背景には、半導体サプライチェーンの好況がある。浜島氏によれば、300社以上が新製品を展示するという。
さらに、半導体が実際に使われるアプリケーションとして技術を見せることにも力を入れた。「SMART Application」ゾーンを設け、「SMART Transportation」「SMART Manufacturing」「SMART Medtech」「SMART Data」「IoT」という5つのカテゴリーで、エンド製品に近い形で技術を展示するという。SMART Applicationゾーンには、IBMやソニー、NEC、Preferred Networks(PFN)、Microsoftなど87の企業および大学が出展する。
主催者企画としては、IoTとスポーツの融合を体感できる「SPORTS×IoT」や、最新のロボット技術を展示する「ROBOT SQUARE」を設けた。SPORTS×IoTでは、車いすマラソンの体験コーナーや、無線骨伝導のスピーカーゴーグルやモーションセンシングウェアなどを展示し、「IoTがいかにわれわれの生活や世界を変えていくのかを示す」(浜島氏)とする。
人材育成については、毎年SEMICON Japanで実施している若手エンジニア向けプログラム「MIRAI GAKKO」を強化。若手社員チームによるハッカソンの成果を発表する「TECH CAMP@GAKKO」や、大学研究室のブースから技術シーズを発信する「アカデミア@GAKKO」といった6つのプログラムを展開する。浜島氏は、「エレクトロニクス業界の人材不足や人材育成は、日本だけでなく世界に共通する課題。ハッカソンなどでは、参加者から『横のつながりができた』との声も聞かれ、好評だ」と述べる。
「INNOVATION VILLAGE」では、テクノロジー系スタートアップ企業による展示とピッチコンテストが行われる。ディープラーニング用FPGAや、有機半導体技術、ウェアラブルロボットなどを手掛ける20社2大学が参加する予定だ。
SEMICON Japan推進委員会委員長を務める村田機械の社長である村田大介氏は、「今回のSEMICON Japanは、市況がよい中での開催となった。半導体でアプリケーションが進化し、それらアプリケーションの拡大によって半導体市場がさらに成長するという、半導体とアプリケーションの相互作用を見られる稀有(けう)な展示会なのではないか」と語った。
浜島氏は、「この展示会を通して、半導体製造装置や材料、コンポーネントの世界を知ってもらいたい」と強調する。「日本は、この分野で強みを持っているのに、なかなかそれを知ってもらえる機会がない。半導体製造市場は、各社の業績もすばらしく、未来を支えていく技術。グローバルで活躍する場もあるし、ポテンシャルがあるということを広めたい」(同氏)
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