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Intelの創業4年目(後編)、最終損益が黒字に転換福田昭のデバイス通信(172) Intelの「始まり」を振り返る(5)(2/2 ページ)

Intelの創業4年目となる1971年。後編では、赤字が急速に縮小し、創業以降で初めての最終黒字となるまでの経緯を追う。

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巨額の研究開発費を継続して投入

 創業期のIntelを特徴付ける業績内容に、巨額の研究開発費がある。1969年〜1971年には、おおよそ130万米ドルから150万米ドルの研究開発費を毎年、注ぎ込んできた。半導体メモリ製品の研究開発に巨大なリソースを継続して投入することによって製造技術を開発し、技術的な革新性のある製品を早期に開発し、販売してきた。その代表が多結晶シリコンゲートのMOSFET技術であり、同技術によるSRAM製品とDRAM製品である。

 技術優位に基づく性能優位の製品をいち早く開発するという戦略は、1971年の業績を見る限り、大成功を収めつつあるといえる。2年前の1969年に比べると製品の売り上げは約25倍と急増した。収支はまだ赤字だが、赤字の金額そのものは急速に縮小している。


「研究開発費」と「製品売り上げ」「研究開発費/製品売り上げ」の推移。Intelの年次報告書(アニュアルレポート)から作成(クリックで拡大)

 1971年は特別利益のおかげで、Intelは創業以降で初めての最終黒字を出すことができた。来年、すなわち1972年には、営業収支でも黒字に転換することが期待できる状況になってきたと言えよう。

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