DNN搭載Visconti 5を19年9月からサンプル出荷へ:東芝デバイス&ストレージ
東芝デバイス&ストレージは2019年1月7日、自動運転機能や先進運転支援システム(ADAS)の実現に向けたDeep Neural Network(以下、DNN)ハードウェアIPを開発したと発表した。同IPは、開発中の車載向け画像認識AIプロセッサ「Visconti 5」に搭載し、2019年9月からサンプル出荷を開始する予定だとする。
東芝デバイス&ストレージは2019年1月7日、自動運転機能や先進運転支援システム(ADAS)の実現に向けたDeep Neural Network(以下、DNN)ハードウェアIPを開発したと発表した。同IPは、開発中の車載向け画像認識AIプロセッサ「Visconti 5」に搭載し、2019年9月からサンプル出荷を開始する予定だとする。
開発したDNNハードウェアIPは深層学習した結果を用いることで、従来のパターン認識や機械学習よりも多様な対象物を高精度に認識できるという。例えば、交通標識や道路状況の把握を低消費電力で高速に実行できるとする。
車載向け画像認識AIプロセッサ「Visconti 5」
同IPを実装し、2019年9月のサンプル出荷を予定するVisconti 5(型番:TMPV770シリーズ)は、CPUコアとしてArm Cortex-A53、および同Cortex-R4を搭載。画像処理アクセラレーターとして、DNNハードウェアIPの他、Affine変換、Pyramid Image Generator、高密度Optical Flow、Template Matchingなどを搭載する予定だ。
東芝デバイス&ストレージでは「自動ブレーキなど運転支援システムは、高級車から軽自動車まで幅広い車種で採用され始めている。一方、欧州における自動車の安全性に関する評価プログラム『Euro-NCAP』(欧州新車アセスメントプログラム)の2020年版では、交差点や出会い頭での衝突回避試験が追加され、より高度な運転支援システムへの需要が高まっている。当社は今後も、Viscontiファミリーの開発を促進し、より安全な道路交通の実現に貢献していく」としている。
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