カメラに画像認識機能を搭載、エッジ側で処理:電池駆動の自律型監視システム
東芝情報システムは、「Embedded Technology 2017(ET 2017)/IoT Technology 2017」で、ネットワークや電源など大規模な設備工事を必要としない、自律型監視システム「CVNucleus VisCAM」をデモ展示した。
大規模な設備工事不要で、初期費用や運用コストを節減
東芝情報システムは、組み込み技術とIoT(モノのインターネット)技術の総合展「Embedded Technology 2017(ET 2017)/IoT Technology 2017」(2017年11月15〜17日、パシフィコ横浜)において、ネットワークや電源など大規模な設備工事が必要ない、自律型監視システム「CVNucleus VisCAM」のデモ展示を行った。
VisCAMは、東芝デバイス&ストレージ製の画像認識LSI「Visconti」を搭載した監視カメラで、撮影した映像を処理し、その中の人物を認識する。あらかじめ設定した立ち入り禁止領域へ人物が侵入した場合、警告音などを発することもできる。こうした人物の認識などはこれまで、クラウド側で処理して判断するのが一般的であった。Viscontiを搭載することで、これらの画像認識処理をエッジ側で対応することが可能となった。
危険エリアへの人物立ち入りや不審者を確認すると、その場面を撮影した静止画をWi-Fiやモバイル通信を介して、遠隔地にいる管理担当者のスマートフォンに伝送することができる。カメラ本体のSDカードに保存することも可能だ。この監視カメラは携帯型バッテリーで駆動できるのも大きな特長である。電源やネットワーク環境など、大規模な設備工事がいらないため、イベント会場や資材置き場、介護現場などにも容易に設置することができる。
ブースでは、2台のカメラを組み合わせたステレオカメラを用意、ブース前を通行する来場者を撮影し、認識した人物を白線で囲み、ディスプレイに表示するデモを行った。入力したステレオカメラ画像から、カメラまでの距離を認識するデモも行った。
同社は既に、車載用ステレオカメラ用途で同等製品の納入実績があり、産業用途などへの用途拡大に取り組んでいる。「今後は、顔認識などの画像処理機能をVisCAMに実装し、マーケティングや入退室管理などの用途にも広げていく」(説明員)計画である。同社はVisconti向け画像認識ミドルウェアを用意しており、さまざまな顧客の個別要求にも対応していくという。
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