AMDがCESの基調講演に登壇、7nmチップの詳細を語る:十数年ぶりの登壇で大注目(2/2 ページ)
AMDのプレジデント兼CEOを務めるLisa Su氏が、「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)で基調講演に登壇した。同社が見本市に登場するのは、2002年以来のこととなる。
「Ryzen 3000シリーズ」の注目はバッテリー寿命
第2世代のRyzenモバイルプロセッサ「AMD Ryzen 3000」シリーズは、超薄型ノートPCとゲーム用ノートPCの両方に対応するように設計されている。3000シリーズの最初のチップは、2または4コアで、8または4スレッドを備え、最大4.0GHzの性能を実現する。2019年第1四半期後半から年末にかけて、同チップを搭載したAcer、ASUS、Dell、Hewlett Packard(HP)、Huawei、Lenovo、Samsung Electronics製のノートPCが順次発売される予定だという。
AMDによると、Ryzen 3000シリーズの最も注目すべき点は、最大12時間の通常作業、10時間のビデオ再生が可能なバッテリー寿命だ。
米国の市場調査会社であるMoor Insights & Strategyでアナリストを務めるPatrick Moorhead氏は、「バッテリー駆動時間測定ソフトウェア『MobileMark』の測定結果やビデオ再生時間に偽りがなく、実際に通常作業でバッテリーが12時間持続するのであれば、これは大きな進歩で、これまでのどのノートPCよりも長いバッテリー寿命が実現されることになる。レビューが楽しみだ。自分自身でも試してみたいと思う」と述べている。
7nmプロセスを適用した第3世代のRyzenデスクトッププロセッサについては、大まかな情報しか明らかにされなかった。Su氏は、「同デバイスの初期バージョンは、Intelの最上位プロセッサ『Core i9』と同等の性能を達成した」と説明した。第3世代のRyzenデスクトッププロセッサは、AMDのZen 2マイクロアーキテクチャベースで、高速バスインタフェース「PCI Express 4.0(PCIe Gen4)」をサポートする初のPCプロセッサである。Su氏によると、同プロセッサは2019年半ばにリリース予定だという。
Su氏は、「同プロセッサは、性能、機能、電力効率においてデスクトッププロセッサの絶対的な基準になる」と主張している。
Su氏はまた、同じくZen 2マイクロアーキテクチャベースのデータセンター向け7nm CPU「Rome」も披露した。同氏は、試作段階のEPYC Romeプロセッサ1基とIntelのハイエンドプロセッサ「Xeon Platinum 8180」2基を比較するデモを行い、EPYCプロセッサの性能が約15%高いことを実証した。
Su氏は特に、第2世代のEPYCは前世代に比べてソケット当たりの浮動小数点性能が4倍に、コンピューティング性能が2倍に向上したことを強調した。同氏は、「同プロセッサは世界最高性能のサーバプロセッサであると確信している」と述べている。
Tirias Researchの主席アナリストであるJim McGregor氏は、「AMDは、x86アーキテクチャが過去10年間達成できなかった、驚異的な性能をZen 2で実現した。PCとサーバはついに、徹底的な競争に突入した。これは、AMDとIntel両社の製品の未来にとって好ましいことだ」との見解を示した。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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