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Apple、モデム契約でQualcommに10億ドルを要求か全てのiPhoneに搭載する代わりに

Qualcommは、2011年にAppleに10億米ドルを支払い、セルラーモデム事業で3年契約を結んだという。QualcommのCEO(最高経営責任者)を務めるSteve Mollenkopf氏は2019年1月11日(米国時間)、米連邦取引委員会(FTC)が同社を告訴した反トラスト訴訟で証言し、この驚くべき金額を公表した。

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画像はイメージです

 Qualcommは、2011年にAppleに10億米ドルを支払い、セルラーモデム事業で3年契約を結んだという。QualcommのCEO(最高経営責任者)を務めるSteve Mollenkopf氏は2019年1月11日(米国時間)、米連邦取引委員会(FTC)が同社を告訴した反トラスト訴訟で証言し、この驚くべき金額を公表した。

 この日の証言では、この他にもう一つ、衝撃的な金額が公表された。Appleの調達責任者はその日、同契約は、「『iPhone』1台当たりのQualcommのチップロイヤリティーを10米ドル以下に抑えるための企業努力だ」と説明した。

 Lucy Koh判事は、10億米ドルという額を公表したことについて、Qualcommの弁護士に説明を求めた。この裁判では、複数の関係者が証言の金額の訂正を求めて、裁判を傍聴していた。

 その日の審理の後半には、Qualcommの主張申し立てのため、Mollenkopf氏の反対尋問は行われた。一部の機器メーカーが「Qualcommは、供給を中止して特許ライセンス契約を強要した」と証言したことに対し、Mollenkopf氏は「そのような行為をしたことは一度もない」と述べた。

 Mollenkopf氏は、「当社にはそうする権利はあるが、していない。そうしたやり方は、顧客との関係に悪影響を及ぼす。また、供給を中止すれば、トップサプライヤーであり続けることが難しくなり、当社はそうした事態を望んではいない」と述べた。

 同氏は、数年前に自身が仲裁に入りソニーへの出荷停止にストップをかけた件について話した。当時、ソニーはSony-Ericssonのチップセット会社の一部をスピンアウトして、3G通信規格「WCDMA」のライセンスがない状態だった。

 Mollenkopf氏は、「当社のチームは誤って出荷を停止した。私は即座にその件に介入し、ソニーのCEOにQualcommが間違ったメッセージを送ったことを伝えた。今後も、チップの供給を中止するような事態を招くことはないと約束する。当社のチームにも同じことを伝え、今後このような事態が起こった場合は、私に報告するように話した」と述べた。

 同氏は、2011年のiPhoneの契約に関して、「AppleはQualcommのチップを使って、当社と共に成長を目指しているのだと考えていた。同社は全てのiPhoneにQualcommのベースバンドチップを搭載することを望んでいたが、そのために10億米ドルを支払うよう当社に要求した。新チップのプラットフォームに移行するためのコストを支払うように要求することはよくある話だが、要求された金額はよくあるようなものではなかった」と述べている。

 Mollenkopf氏は、Qualcommのチップが全てのiPhoneに搭載されることで実際にQualcommが利益を上げたことを認め、上記の契約は「両社にとってうまくいった」と述べる。2013年には、2回目となる3年契約を締結したが、その契約でも、一定のスケジュールでQualcommがAppleにインセンティブを支払うことには変わりなかったという。

 どちらの契約においても、Appleが他社のベースバンドチップを採用した場合、Qualcommはそのインセンティブの一部を“取り返す”ことになるとしていた。2013年に締結した契約が終わる時期に近づくと、AppleはIntelのベースバンドチップも採用し始めたため、Qualcommは一部のインセンティブを取り戻したが、それでもAppleとの契約で利益を上げたとMollenkopf氏は述べている。

 FTCは、独占禁止法の疑いでQualcommを提訴したが、Mollenkopf氏は次のように反論した。「量産ビジネスが危機的な状況となっている中、Appleの影響力は大きかった。Qualcommとしては、インセンティブを支払ってでも、(iPhoneのベースバンドチップという)量産ビジネスをうまくいかせる必要があった」

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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