ST、スマホのRF性能を向上させるコントローラIC:通信環境による影響を大幅緩和
STマイクロエレクトロニクスは、スマートフォンのRF性能を高めることができるスマートアンテナコントローラIC「STHVDAC-253C7」を発表した。
外形寸法や動作電流は従来品の半分
STマイクロエレクトロニクスは2019年1月、スマートフォンのRF性能を高めることができるスマートアンテナコントローラIC「STHVDAC-253C7」を発表した。
STHVDAC-253C7は、同社製チューナブルキャパシター「STPTICファミリー」などに対応したコントローラICである。インピーダンス整合や周波数チューニングを適切に行うことで、通信環境による影響を大幅に軽減することが可能となる。
新製品は、チューナブルキャパシター向けバイアス電圧を生成するための高電圧D‐Aコンバーター出力を3個搭載した。このためマルチバンド対応ハンドセットなどにおいて、3個のキャパシターを個別にチューニングすることができる。
また、昇圧コンバーターも内蔵した。これにより、キャパシターの全チューニング範囲(0V〜24V)向けにバイアス電圧を生成することが可能だ。さらに、システムトランシーバーからのMIPI RFFE(RFフロントエンド)標準コマンドに対応。1個のSTHVDAC-253C7で、最大3個までアンテナを個別に管理することができるという。
STHVDAC-253C7は、一般的に用いられる3つのアンテナチューニングモードに対応している。そのモードとは「標準モード」「ターボモード」「グライドモード」である。GPIO端子を用いると、デュアルチューナーハンドセットの同じRFFEバス上で、2個のコントローラICを管理することができる。レジスタを切り替えることで、ダイバーシティーアンテナ設計の管理が行え、USBケーブルに接続する際のアンテナ応答を設定の調整により修正することも可能である。
STHVDAC-253C7は、0.18μmのBCD8プロセスと0.35mmピッチのWCSPフリップチップパッケージ技術などを用いて製造する。これにより、外形寸法や動作電流を従来品の半分に抑えた。さらに、0402サイズのチップインダクターと組み合わせて用いれば、回路全体の実装面積をさらに小さくすることができるという。価格は1000個購入時の単価が約0.19米ドルである。
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