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Huaweiについて否定的な報道が目立つ4つの理由責任の一端はメディアにもある(2/2 ページ)

ハイテク技術のスクープ記事を担当する記者としてHuaweiをレポートすることは、同社に対するバッシングが激しさを増している昨今は特に、難しい仕事だ。しかし幸運にも、深センにあるHuawei本社を訪ねる機会を得た。

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Huaweiに対する疑惑には、証拠がない

 第3に、Huaweiにかけられた嫌疑は依然として確固たる証拠を欠いていることを認めざるを得ない。Huaweiは人民解放軍と共産党から命令を受けているだろうか。Huaweiは自社のネットワーク機器にどのようなバックドアを設置したのだろうか。こうした疑問の答えはない。

 第4に、情報機関がHuaweiについて実際に何を把握しているかを明らかするのは容易ではない。情報機関が効果的な対策を講じるには、つかんでいるほぼ全ての情報を秘密にしておかなければならないからだ。

 筆者は最近、同僚のRick Merrittから強く勧められ、NPR(National Public Radio)のTerry Gross氏のラジオ番組「Fresh Air」で放送されたNew York TimesのDavid Sanger氏との対談を聞いた。この番組は2019年1月31日に放送されたものである。サイバー戦争やサイバー攻撃に関する本『The Perfect Weapon』の著者であるSanger氏は、Huaweiの問題を明快に分類している。

 対談の中で、Sanger氏は習近平国家主席の下、中国政府が制定した新しい法律「国家情報法」に言及している。同法律の下、中国の企業、特に電気通信企業は、要請があれば諜報活動に協力しなければならない。Sanger氏によると、要請を受けた企業は政府が求める全てのデータを提供しなければならないという。

 こうした状況では、Huaweiを(個人データ保護の観点で)良好な企業とは見なすことは確かに難しいかもしれない。Huaweiは、中国政府の要請に準拠した活動を行わねばならない。Huaweiが全ての嫌疑を否定しても、同社に対する中国共産党の締めつけがある限り、Huaweiのビジネスに透明性があるかどうかは、欧米諸国には判断できないだろう。

 米国と中国の両方のビジネスコミュニティーは、異常な事態になりつつある。HuaweiのCFO(最高財務責任者)であるMeng Wanzhou氏の逮捕(およびその後の中国による数人のカナダ人のその後の逮捕)によって、一部の西側幹部は、中国への渡航を延期するようにと伝えられている。TSA(米国運輸保安局)のエージェントが、中国人幹部が米国に入国する際は、チャットアプリ「WeChat」の連絡先リストを確認しているとの話もある。

 二つの大国間のいかなる誤解においても、透明性が最良の対策だ。だが、現状は悪化の一途をたどるばかりである。透明性には程遠い。

 正直に言えば、筆者は、現在の米中対立の解決策を想像することすらできない。強いて挙げるならば、メディアが一連の問題を客観的かつ透明性のある形で報道することだろう。ここまで対立が悪化した責任の一端は、メディアにもあるからだ。われわれは、中国を取材し続けるべきである。そして、Huaweiを含む、さまざまな誤解や齟齬(そご)を明らかに、解きほぐすのが役割だろう。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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