Qualcommの5Gモデム「Snapdragon X55」、下りは最大7Gbps:7nm適用のシングルチップ
Qualcommは2019年2月19日(米国時間)、5G(第5世代移動通信)対応モデム「Snapdragon X55」を発表した。5G NRではミリ波帯とサブ6GHz帯をサポートする。5Gにおいて、理論上は下りで最大7Gビット/秒(bps)、上りは最大3Gbpsを実現するとしている。
Qualcommは2019年2月19日(米国時間)、5G(第5世代移動通信)対応モデム「Snapdragon X55」を発表した。同社の5G NR(New Radio)モデムとしては2代目となる。7nmプロセスを適用したシングルチップで、5G NRではミリ波帯とサブ6GHz帯をサポートする。5Gにおいて、理論上は下りで最大7Gビット/秒(bps)、上りは最大3Gbpsを実現するとしている。5G対応スマートフォンだけでなく、PCや自動車などの用途も想定している。サンプル出荷は既に開始していて、2019年末までに発売される商用デバイスに搭載される見込みだ。
Snapdragon X55は、4Gと5G間で周波数帯を動的に共有する、ダイナミックスペクトラムシェアリングをサポートするという。そのため、通信事業者は既存の4Gの周波数帯を使って5Gのサービスも提供できることになる。
併せて、Snapdragon X55向けRFフロントエンド(RFFE)ソリューションも発表した。こちらも2代目となる。ミリ波帯アンテナモジュール「QTM525」や、5Gで100MHzのエンベロープトラッキングに対応する「QET6100」、4Gおよび5Gに対応するパワーアンプモジュール「QPMシリーズ」、5Gアダプティブアンテナチューナー「QAT3555」などで構成されている。
アンテナモジュールQTM525は14nmプロセスを適用したシングルチップ。前世代に比べてモジュールの高さを抑えており、高さ8mmよりも薄いスマートフォンの設計が可能になるという。同モジュールは、1代目でサポートしていたn257(28GHz)、n260(39GHz)、n261(US 28GHz)に加え、北米、欧州、オーストラリア向けのn258(26GHz)をサポートする。
新しいRFFEソリューションは、Snapdragon X55と組み合わせることで、5G対応端末向けに、モデムからアンテナまでを含む包括的なシステムを構成できるとする。
RFFEソリューションは2019年前半にサンプル出荷を開始する予定で、2019年末までに発売される商用デバイスに搭載される見込みだ。
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