NEDOら、オンボード光モジュールで400Gbps実現:COBO規格Class Aサイズに準拠
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所(PETRA)は、外形寸法が34×36×8mmと極めて小さいオンボード光モジュールを用いて、400Gビット/秒(bps)の伝送速度を実現した。
「光I/Oコア」「ポリマー光導波路」「高密度コネクター」
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所(PETRA)は2019年3月、外形寸法が34×36×8mmと極めて小さいオンボード光モジュールを用いて、400Gビット/秒(bps)の伝送速度を実現したと発表した。
開発したオンボード光モジュールは、標準化組織COBO(Consortium for On‐Board Optics)が定めた規格「Class A」サイズに準拠した製品である。NEDOとPETRAはこれを実現するため、主に3つの技術成果を適用した。
3つとは、「光I/Oコアと呼ぶ、シリコンフォトニクス技術を用いた5mm角の超小型光トランシーバー技術」「ポリマー光導波路の配線技術」そして、「高密度コネクター技術」である。
開発したオンボード光モジュール上には、4個の光I/Oコアを実装している。これらの光I/Oコアと光ファイバー・コネクターとの間は、高密度ポリマー光導波路配線技術を用いて接続する構造とした。新たに開発したポリマー光導波路は伝送に用いる波長に対して高い透明性を実現し、損失の少ない伝送を可能とした。光ファイバー・コネクターは、密度がこれまでの2倍となる125μmピッチで32芯を束ねた細径光ファイバーアレイと接続する構造とした。
COBOは、ホストLSIに極めて近い位置に光インタフェース部を集積する次世代標準規格の検討を始めている。NEDOとPETRAは、開発中の光電子集積インターポーザー技術を標準化案として作成し、COBOに提案する予定である。
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