京セラとVicor、プロセッサ向け技術で協業:AI向けなどに高電流を供給可能
京セラとVicorは2019年4月10日(米国時間)、AI(人工知能)など向けに高性能プロセッサを短期間で市場に導入すべく、協業を開始したと発表した。
京セラとVicorは2019年4月10日(米国時間)、AI(人工知能)など向けに高性能プロセッサを短期間で市場に導入すべく、協業を開始したと発表した。
京セラは、有機パッケージ、モジュール基板、マザーボードに電源およびデータを統合して供給する設計技術を、Vicorは、プロセッサに高密度かつ高電流を供給できる独自技術「Power-on-Package」を提供する。
VicorのPower-on-Packageは、従来はマザーボード上に実装していたコンバーターを、CPUやGPUと同じサブ基板上に隣接して実装できる技術だ。これにより、配線抵抗による配電損失を解消し、より高い電流をプロセッサに供給できる。同技術は、NVIDIAの開発者向けカンファレンス「GTC(GPU Technology Conference) 2018」や、中国の「China ODCC(Open Data Center Committee) 2018 Summit」で発表されている。さらに、最新のPower-on-Package技術は、プロセッサの裏側から電流を供給する“垂直型電流供給”も可能になっている。垂直に電流を供給することで、配電損失をさらに抑え、I/O性能を最大化し、柔軟な設計が可能になるとしている。
両社はリリースで、「この協業を通じて、高性能化が進むプロセッサとともに複雑化する高速I/Oと拡大する電流消費要求に対応するソリューション提供を目指す」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- AI用チップなどにピーク時最大1000Aを給電
Vicorは、高性能なCPUやGPUなどの近くに実装して、最大1000A(ピーク時)の給電が可能な電源ソリューションを発表した。 - 金属上でも特性劣化なし、京セラが新型アンテナ
京セラは、「CEATEC JAPAN 2018」で、金属や水の近くで使用しても電波強度が低下しない新型アンテナ「Amcenna(アムセナ)」を展示した。 - 京セラ、サンゴがよく育つLEDを開発――太陽光を再現
京セラは2018年7月26日、太陽光スペクトルに近い高演色LEDを活用した「アクアリウムLED照明」を同年8月中旬より発売すると発表した。同製品は「サンゴもハタゴもよろこぶ優しい光」をうたい、海中4カ所の深度における太陽光スペクトルを再現した製品ラインアップをそろえた。 - 半導体メモリのチップとパッケージとシリコンダイ(前編)
「チップ」「デバイス」という単語から想像するイメージは、業界やコミュニティーによってずれがある。では、どのようなずれがあり、なぜ、ずれが生じたのだろうか。 - 大型パネルで大量のパッケージを一括組み立てする「FOPLP」技術
前回説明したウエハーレベルのファンアウトパッケージング技術「FOWLP(Fan Out Wafer Level Packaging)」における一括製造の考え方を、パネル状の基板に適用したのが、パネルレベルのファンアウトパッケージング技術「FOPLP(Fan-Out Panel Level Packaging)」だ。今回は、FOPLPの強みや、どんなパッケージングに適しているかなどを説明する。