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AIと5Gで覇権を争う米中、業界は二分されるのか深まる対立(2/2 ページ)

米国、中国間の貿易戦争は、特にAI(人工知能)と5G(第5世代移動通信)での技術優位性が全てである。最終的には、米国側を支持する米国主導のグループと、中国側を支持する中国主導のグループに世界が二分される可能性がある。

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トランプ大統領「米国は5Gで勝たねばならない」

 米国を不安にさせているのは、中国のAI技術だけではない。5Gの競争は、覇権争いでもある。Canyon BridgeのKuo氏は、「中国企業は間違いなく、5Gの推進に欠かせない存在だ。中国の企業が適切な方法で提携すれば、指導的立場に立つことができるはずだ」と述べている。

 米国連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)の会長を務めるAjit Pai氏はFCCのブログで、米国がいかに真剣に5Gのリーダーを狙っているかを説明している。

 トランプ大統領は2019年4月12日(現地時間)にホワイトハウスで開催したイベントで、「将来性のあるこの産業で、米国が他国に負けることは許されない。さまざまな産業で優れた業績を挙げている米国が、他国にリードを許すわけにはいかない。5Gの競争は米国が勝利すべき競争だ。この競争には米国有数の企業が深く関わっており、これら企業が必要とする奨励金の交付も行ってきた。これは、米国が勝利すべき競争だ」と述べたという。

 そのために、トランプ大統領は、無線周波数帯の提供範囲を拡大する大胆な戦略を実施すると明言し、「米国は、2020年までに世界のどの国よりも広範な5G周波数帯を確保すべく、この戦略を進めていく。米国よりも先を行く国があることを考えると、これはかなり強気な発言ではある。だが米国は、それがどんなに高度なことであろうと、もっと前にこの戦略を進めておくべきだった」と述べている。


エレクトロニクス業界における分野別の投資額(2012〜2018年) 出典:Mentor, a Siemens Business(クリックで拡大)

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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