5G向けテスターを一挙に展示 キーサイト:WTP 2019
キーサイト・テクノロジーは「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP) 2019」(2019年5月29〜31日、東京ビッグサイト)で、28GHzに対応したデュアルチャンネルの信号発生器「VXGマイクロ波信号発生器(以下、VXG)」などを展示した。
キーサイト・テクノロジーは「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP) 2019」(2019年5月29〜31日、東京ビッグサイト)で、28GHzに対応したデュアルチャンネルの信号発生器「VXGマイクロ波信号発生器(以下、VXG)」などを展示した。VXGは、キーサイトが2019年2月に発表したばかりの製品で、同社のプライベートイベント以外の展示会では、初めて披露されたもの。
VXGは、5G(第5世代移動通信)基地局のテストなどの用途に向ける。キーサイトの説明担当者は「5Gでは、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)の活用が欠かせないといわれているが、そのテストのためには信号源が複数、必要になる。2つの信号を同時に出力できるVXGは、別の信号源を外付けして同期する必要がないので、テストシステムを構築することが容易になる」と述べる。
下側の計測器が「VXG」で、その上はシグナルアナライザー。デモでは、28GHzの信号を出力して、シグナルアナライザーで波形を見るというデモを行っていた。ただし、デモで出力していたのは1チャンネルだった(クリックで拡大)
5G端末の開発に欠かせない、5G NR(New Radio)シグナリングテスター(基地局シミュレーター)「UXM 5G」も展示した。単体で6GHz帯まで対応していて、帯域幅は800MHz。外付けのコンバーターを使えば28GHz帯、39GHz帯といったミリ波帯の基地局シミュレーターとしても使える。RFからプロトコル、RRMの各レイヤーレベルで、3GPPが定めた規格に準拠しているかどうかをテストする。デモでは、Samsung Electronicsの「Galaxy S10 5G」を使い、5G NSA(Non Stand-Alone)*)での接続を確認するデモを行っていた。なお、キーサイトは、5G向けのテストソリューションをNTTドコモに提供している。
*)5G NSA:最初の接続にはLTEを使い、実際のデータを送信するには5Gを使う。
新しいDC電源「E36200シリーズ」も展示した。1μAの分解能で電流を計測できる。さらに、既存のシリーズでは最大25Vの電圧を供給していたが、E36200シリーズでは30V/20A、60V/10Aの電圧、電流を供給できるようになっている。パワー出力は200Wまたは400Wがある。キーサイトは「最近のLSIには大電流を流すことも多い。そのため、より高い電圧で使いたいというニーズがあった。また、出力が400Wとなると、DC電源の大きさが比較的大型になるが、それを自分のデスクにも置けるくらい小型化したこともE36200シリーズの特長だ」と説明した
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 5G向けの44GHz信号源、2chで帯域幅は2GHz
キーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は2019年2月20日、周波数レンジが1M〜44GHzで、最大2GHzのRF変調帯域幅をサポートする、デュアルチャンネルのベクトル信号発生器「VXGマイクロ波信号発生器(以下、VXG)」を発表した。 - ソニー独自のLPWA「ELTRES」、サービス開始へ
ソニーネットワークコミュニケーションズは、「ワイヤレスジャパン 2019」で、IoT(モノのインターネット)ネットワークに適したLPWA(Low Power Wide Area)通信サービス「ELTRES(エルトレス)」の概要や、ELTRES対応通信モジュールなどを紹介した。 - 93GHz帯伝送実験、パラスポーツ追体験 ドコモが展示
NTTドコモは、2019年5月29〜31日に東京ビッグサイトで開催された「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2019」内の特設パビリオン「5G Tokyo Bay Summit 2019」で、同社の多数のパートナー企業とともに、5G(第5世代移動通信)のユースケースや最新研究開発を展示した。 - Siの限界を突破する! 3300V IGBTの5Vゲート駆動に成功
2019年5月、東京大学生産技術研究所の更屋拓哉助手、平本俊郎教授を中心とする研究グループは、耐圧3300VクラスのシリコンによるIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を、ゲート駆動電圧5Vで動作させることに成功したと発表。2019年5月28日に、東京都内で記者会見を開催し、開発技術の詳細を説明した。 - “垂直給電”で高効率を実現、AIプロセッサ向けに
Vicorのコーポレートバイスプレジデント兼プロダクトマーケティング&テクニカルリソースを務めるRobert Gendron氏は、2019年5月17日にVicorの日本支社であるVicor KKで開催した記者説明会で、同社の成長戦略と最新技術について語った。 - 「EVや産業用途でGaNを見直すべき」 GaN Systems CEO
パワーエレクトロニクスの展示会「PCIM Europe 2019」で、会期3日目の基調講演に登壇したGaN SystemsのCEOを務めるJim Witham氏。同氏は、EV(電気自動車)やハイパワーの産業機器で、GaNパワーデバイスを見直すべきだと強調する。