AI戦略、NXPの立ち位置とは:担当部門ディレクターに聞く(2/2 ページ)
NXP Semiconductorsにおける、機械学習分野の開発は現在、どのようになっているのか。同社のAI戦略・パートナーシップ部門担当ディレクターを務めるAli Osman Ors氏に聞いた。
NXPの「モジュール式アプローチ」
Ors氏は、NXPの車載用半導体チップ開発の経緯について強調しながら、「NXPは、ADAS/AVソリューションの実現に向けて、モジュール方式のアプローチを採用している。当社は2本柱として、認識と判断を掲げる」と述べる。
「機械学習を、視覚ベースの処理に積極的に適用している(CogniVueのビジョンIPは、NXPの『S32V』ビジョンプロセッサ上で動作する)が、これとは別に、ASIL-Dに準拠した、高性能コンピューティングレベルのセーフティデバイスで前面に押し出していこうと考えている。このデバイスは、機械学習の性能を向上させるために、ルールに基づいた安全性チェック機能を搭載する。NXPはこれまで、AI分野について十分な説明をしてこなかったが、判断の分野において、ルールに基づいたデバイスで確実に安全性をチェックできるようにしたいと考えている」と述べている。
またNXPは、このようなモジュール方式のアプローチによって、ティア1や自動車メーカーのように、認識分野向けに独自のソフトウェアを組み込みたいと考えている企業を、引き付けることができると期待している。NXPの顧客企業も、認識と判断という2つの異なるデバイスを、多かれ少なかれ拡充することができるようになるだろう。
一方、Intelは、認識ソフトウェアスタックの開発に多額の資金を投じている。Mobileyeの「EyeQ」チップ上で動作させる予定だという。Ors氏は、「われわれは、ソフトウェアスタックを使用できるようにするための手段を提供するが、当社の顧客企業のソフトウェアスタックに対してもオープンな体制を維持していく」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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