Jetson Nano利用のAI応用システム構築を支援:ポジティブワンがサービス開始
ポジティブワンは、NVIDIA製の機械学習開発プラットフォーム「Jetson Nano」を利用したシステム開発を支援するために、オリジナルキャリアボードの回路設計や基板設計、製造サービスを始める。
複数の高解像度センサー情報も高速に並列処理
ポジティブワンは2019年7月、NVIDIA製の機械学習開発プラットフォーム「Jetson Nano」を利用したシステム開発を支援するために、オリジナルキャリアボードの回路設計や基板設計、製造サービスを始めると発表した。
NVIDIAが提供する第1世代のプラットフォーム「Jetson TX1」は、256CUDA(Compute Unified Device Architecture)コアを搭載した「Maxwell GPU」を用いている。この製品は1024GFLOPSの演算性能を実現しているが、高価でもあった。同じ価格帯で演算性能を2倍に高めた「Jetson TX2」なども用意している。
これらの製品に対し、Jetson Nanoはエントリーレベルのユーザーを狙ったプラットフォームである。128CUDAコアを集積したMaxwell GPUなどを搭載している。演算能力は472GFLOPSで、複数のニューラルネットワーク処理と同時に、複数の高解像度センサーからの入力情報も高速に並列処理することができるという。
Jetson Nanoの開発者キットは、99米ドルと比較的安価に設定されており、AI(人工知能)を応用したシステム開発/検証などを行う個人のクリエーターや学生などが、手軽に導入できるようになった。
用途として、エントリーレベルのネットワークビデオレコーダーやホームロボット、分析機能を備えたゲートウェイなどのIoT(モノのインターネット)機器を想定している。
関連記事
- NVIDIA、99ドルのAIコンピュータを発表
NVIDIAは、高い演算性能を持ちながら消費電力が小さいCUDA-X AI(人工知能)コンピュータ「Jetson Nano」を発表した。開発者や個人のクリエーターなどに向けた「開発者キット」の価格はわずか99米ドルである。 - ドコモ、AI運行バスや製造業向けIoTサービスなどを展示
NTTドコモは「第8回IoT/M2M展」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)で、人工知能(AI)を活用したオンデマンド乗り合い交通システム「AI運行バス」などを紹介した。同年4月から提供を開始しており、九州大学伊都キャンパスにて、すでに商用運行が始まっている。 - 単眼カメラで物体検出と測距、独自の深層学習で実現
日立超LSIシステムズは、独自のディープラーニング技術を用いて、単眼カメラの映像からリアルタイムに物体を検出し、物体までの距離推定も可能とする画像認識ソリューションの提供を始めた。 - 1280基のGPUを搭載した「RTX」サーバなどをNVIDIAが発表
NVIDIAが米国カリフォルニア州サンノゼで開催した年次イベント「GTC」の基調講演では、NVIDIAが2018年秋に発表した最新プロセッサ向けの新たなシステムやソフトウェアが取り上げられた。一方で、期待されていた7nm GPUについての発表は行われなかった。 - 産業用ラズパイ+センサーが製造現場の自動化を加速
産業用途で利用できる「Raspberry Pi(ラズパイ)」を手掛けるハーティング。代表取締役の能方研爾(のうがた・けんじ)氏に、産業用ラズパイの市場動向や同社の戦略などについて聞いた。 - オムロンがセンサーをラズパイ対応にした狙い
オムロンが、新規事業創出を目指すべく2018年4月に創設した「イノベーション推進本部」。そのイノベーション推進本部が2019年1月、新たな取り組みとして、「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、以下ラズパイ)」や「Arduino」などのオープンプラットフォームに対応したセンサーを発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.