ルネサスが2019年4〜6月業績を発表:前四半期から改善(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2019年8月6日、2019年12月期第2四半期(2019年4〜6月)業績を発表した。同四半期売上高は、非経常項目などを除いたnon-GAAPベースで前年同期比5.3%減、前四半期比28.2%増の1926億円となった。
5月に続き、8月も生産調整実施へ
また在庫調整局面にあり、半導体需要も軟調なことから同社では、2019年5月に2週間程度期間にわたって工場の生産を停止した。柴田氏は「生産停止は順調で、再立ち上げも問題なかった」と評価。その上で、「8月(のお盆期間中)にも、若干の生産調整を実施する。現在、1週間前後の調整を実施する内容を検討している」と語った。なお、前工程工場の稼働率は、第2四半期実績の平均50%程度から、第3四半期は10%程度改善する見込みとしている。
第3四半期業績見込みについては、non-GAAPベースで売上高1840億〜1920億円の範囲を予想。また、営業利益率は、工場の稼働率改善などにより、第2四半期よりもさらに改善し16.5%になると見込んでいる。
自動車と非自動車で異なる事業計画実施へ
2019年7月1日の社長兼CEO就任後、初めての業績発表に挑んだ柴田氏は、「新たな中期経営計画については準備中で、望むべくは2019年中にお伝えしたいと思っている。ただ、米中貿易摩擦など外部環境の変化が大きく、外部環境の推移を見ながら公表したいと考えており、場合によっては2020年1〜3月にずれ込むかもしれない」とした。
また柴田氏は、「第3四半期業績発表から、自動車と自動車以外の事業に分けたセグメント別業績を開示する予定。自動車事業と非自動車事業では、構造、デザインサイクル、トレンドなどが異なる。一律に全ての事業を扱うと無理が大きい。その一歩として、セグメント別の業績開示を行う。そして、事業計画についても(両事業で)色合いを変えた計画を策定していく」との方針を示した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ルネサス呉社長が辞任、後任はCFO柴田氏
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2019年6月25日、社長兼CEOを務める呉文精氏が同年6月30日付で退任し、現取締役執行役員常務兼CFO(Chief Financial Officer)の柴田英利氏が7月1日付で新社長兼CEOに選任したと発表した。 - ルネサス 呉CEOが「工場一時停止」について説明
ルネサス エレクトロニクスは2019年3月29日、東京都内で記者会見を行い、同社社長兼CEOの呉文精氏が2019年4〜6月に実施を検討している工場の一時稼働停止および、同年3月30日(日本時間)完了予定のIDTの買収に関して説明を行った。 - ソニー、CMOSセンサー好調で工場フル稼働
ソニーは2019年7月30日、2019年度第1四半期決算を発表した。イメージング&センシングソリューション分野では、モバイル機器向けCMOSイメージセンサーが大幅増収。同分野売上高は前年同期比284億円増の2307億円、営業利益は同204億円増の495億円となった。ソニーの専務CFO、十時裕樹氏は、「主要なスマートフォンメーカー各社の中高級機種に高いシェアで採用されていることに加え、カメラの多眼化やセンサーサイズの大型化によって好調で、自社生産設備はフル稼働の状況だ」と話していた。 - 村田製作所、総額47億円超のMLCC増産投資を発表
村田製作所は2019年8月5日、生産子会社であるイワミ村田製作所(島根県大田市)において積層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産能力拡大を目的として増産投資を実施すると発表した。