ルネサス、IoT機器に向け64端子マイコンを追加:32ビットマイコン「RX651」
ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RX651」グループに、64端子の小型パッケージ品を追加した。小型IoT(モノのインターネット)機器などの用途に向ける。
4.5mm角と10mm角の小型パッケージを用意
ルネサス エレクトロニクスは2019年7月、32ビットマイコン「RX651」グループに、64端子の小型パッケージ品を追加したと発表した。小型IoT(モノのインターネット)機器などの用途に向ける。
RX651グループは、RXファミリーの主軸となる製品群。RXv2コアをベースに、メモリ容量はコードフラッシュメモリとして最大2Mバイト、SRAMは最大640kバイトをそれぞれ搭載し、40nmプロセスを用いて製造される。動作周波数は120MHzで、CPUコアのベンチマークテスト「CoreMark」値は520を達成。電力性能は35CoreMark/mAと高い。
また、トラステッドセキュアIPを内蔵した他、バックグラウンドオペレーション(BGO)とSWAP機能をサポートするデュアルバンクフラッシュに対応するなど、セキュリティ機能も充実している。このため、システム出荷後に行うファームウェアのアップデートも安全に行えるという。
RX651グループはこれまで、LFQFPの100端子品、144端子品、176端子品、TFLGAの100端子品、145端子品、177端子品および、LFBGAの176端子品などを供給してきた。
新たに追加した64端子品は、外形寸法が4.5mm角のBGAおよび、10mm角のQFPと2種類のパッケージを用意した。小型パッケージを採用しながら、2M/1Mバイトのフラッシュメモリや640k/256kバイトのSRAMなど大容量メモリを搭載した。このため、通信用ソフトウェアなども容易に格納することができるという。高い演算性能とセキュリティ機能を維持しつつ、パッケージサイズを小さくすることで、小型IoT機器への実装を容易にした。
新製品は既に量産出荷中で、1万個一括購入時の参考単価(税別)は4.58米ドルから。既存のRX65N向けターゲットボードやスタータキットを活用して、システム開発に着手することができる。
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