ルネサス、AWSクラウド通信評価キットを発売:Amazon FreeRTOSの認定取得
ルネサス エレクトロニクスは、アマゾンウェブサービス(AWS)へのWi-Fi接続を容易にする、IoT(モノのインターネット)機器向けクラウド通信評価キット「Renesas RX65N Cloud Kit」を発売する。
「e2studio」を、Amazon FreeRTOS用に拡張
ルネサス エレクトロニクスは2019年8月、アマゾンウェブサービス(AWS)へのWi-Fi接続を容易にするIoT(モノのインターネット)機器向けクラウド通信評価キット「Renesas RX65N Cloud Kit」を発売すると発表した。
「Amazon FreeRTOS」認定の開発キットには、Amazon FreeRTOS対応の32ビットマイコン「RX65N」(R5F565NEDDFP)を始め、自社製の環境計測用赤外線/照度センサーやBOSCH製のMEMSセンサー、サイレックス・テクノロジー製の無線LANモジュール「SX-ULPGN」などを搭載している。
また、ルネサスの統合開発環境「e2studio」も、Amazon FreeRTOS用に拡張した。これにより、Amazon FreeRTOSおよび、必要とする全てのドライバー、ネットワークスタック、コンポーネントライブラリーなどを設定することができる。
RX65Nは、デュアルバンク機能を備えた2Mバイトのフラッシュメモリを搭載している。Amazon FreeRTOSを活用したリモートOTA機能とデュアルバンク機能により、現場に設置された機器などでも、セキュアで信頼性が高いファームウェアのアップデートが可能となった。
ハードウェアセキュリティエンジンとして、トラステッドセキュアIP(TSIP)も搭載している。これによりAESや3DES、SHA、RSA、TRNGといった暗号ハードウェアのアクセラレータ処理や暗号化鍵の管理を行うことができる。
Renesas RX65N Cloud Kitの参考価格(税別)は50米ドル。無線LANでAWSに接続するスマートメーターや産業用機器、家電機器などの用途に向ける。
同キットとは別に、LCDディスプレイモジュールやオンチップデバッギングエミュレーター、各種インタフェースを備え、Amazon FreeRTOSを利用できるRX65Nスタータキット「Renesas Starter Kit+ for RX65N-2MB」も用意している。
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