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ルネサス、最大14セル対応のバッテリー監視用IC電池寿命と航続距離を最大化する

ルネサス エレクトロニクスは、ハイブリッド車や電気自動車における電池寿命と航続距離の最大化に向けて、最大14セル対応のリチウムイオンバッテリー監視用IC「ISL78714」を発売した。

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ASIL Dへの対応を支援


ISL78714の外観

 ルネサス エレクトロニクスは2019年8月、ハイブリッド車(HEV/MHEV/PHE)や電気自動車(BEV)における電池寿命と航続距離の最大化に向けて、最大14個のバッテリーセルに対応するリチウムイオンバッテリー監視用IC「ISL78714」を発売した。

 ISL78714は、14ビットA-Dコンバーターを内蔵し、最大6本の外部温度入力に対応する。これにより、直列接続された最大14個のバッテリーセルについて、電圧を±2mVの精度で測定し、バランシングを行うことができる。

 また、過電圧や電圧低下、異常な温度、断線、故障などを検知すると、112個のバッテリーセルで構成されるシステムでは10ミリ秒以内に、70個のバッテリーセルで構成されるシステムだと6.5ミリ秒以内に読み出して、制御用マイコンに送信する。これらの機能によって、自動車用機能安全規格「ISO 26262」のASIL Dに対応するバッテリーマネジメントシステム(BMS)を実現することができるという。

 ISL78714はデイジーチェーンアーキテクチャを採用している。30個のISL78714を用いると、最大420個のバッテリーセルを接続することが可能である。ホットプラグや過渡電圧への耐性も備えている。制御用マイコンとの通信に失敗すると、デイジーチェーン接続されたISL78714が、自動的にシャットダウンするという。

 動作温度範囲は−40〜105℃で、「AEC-Q100 Grade-2」に適合している。パッケージは64端子TQFPで供給する。

 ルネサスは、BMSのレファレンスデザインキットも用意している。このキットには、ISL78714が5個とRH850/P1Mマイコン1個が搭載されており、70個のバッテリーセルを組み合わせた電池パックのバランシングを行い、その動作を検証することができる。CANやUART経由でセットアップやデータログの取得も可能である。

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