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2019年上半期半導体企業ランキング、Intelが首位奪還通期も首位奪還の見込み

米国の市場調査会社IC Insightsは2019年8月20日(米国時間)、2019年上半期の半導体企業売上高トップ15を発表した。IntelがSamsung Electronics(以下、Samsung)を抑えてトップに返り咲いた。IC Insightsは、2019年通期売上高でもIntelが首位の座を取り戻すと予測している。

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 米国の市場調査会社IC Insightsは2019年8月20日(米国時間)、2019年上半期の半導体企業売上高トップ15を発表した。IntelがSamsung Electronics(以下、Samsung)を抑えてトップに返り咲いた。IC Insightsは、2019年通期売上高でもIntelが首位の座を取り戻すと予測している。


2019年上半期の半導体企業売上高トップ15

 このランキングはICとOSD(オプトエレクトロニクス、センサー、ディスクリート半導体)売上高の合計による。本社所在国/地域別では、米国が6社、欧州が3社、日本、韓国、台湾がそれぞれ2社ずつとなっている。

 ランキングには、ファウンドリーのTSMCも含まれているが、この理由についてIC Insightsは、「このランキングは市場シェアではなく、トップサプライヤーのリストとして作成している。われわれの顧客の多くが、装置や化学薬品、ガスなど半導体産業へのベンダー企業であり、ファウンドリーなどの大手ICメーカーを除外すると半導体サプライヤーのトップリストに『大きな穴』が残るためだ」としている。

メモリバブル崩壊でSamsungが首位陥落

 Intelは、DRAMやNAND型フラッシュメモリの価格高騰による『メモリバブル』の影響で、2017年第2四半期からSamsungに首位の座を奪われていた。しかし、バブル崩壊によって2018年第4四半期に再びSamsungを追い抜き、2019年上半期売上高は320億米ドルと、2位のSamsung(267億米ドル)を大きく引き離してトップに返り咲いた。Samsungは2017年、2018年通期売上高でもトップとなっていたが、IC Insightsは、「Intelは2019年通期、業界1位の座を容易に取り戻すだろう」と予測している。2018年上半期の半導体売上高では、SamsungがIntelを22%上回ったが、2019年上半期にはIntelがSamsungを20%上回る結果となっている。

 IC Insightsによると、トップ15の2019年上半期の売上高合計は、前年同期比18%減だった。半導体市場全体の同期売上高が14%減であり、トップ15の売上高減少は市場全体よりも悪い水準となっている。

 これは、3大メモリサプライヤーであるSamsung、SK hynix、Micron Technologyが、2018年上半期には前年同期比36%を超える成長を記録したにもかかわらず、2019年上半期には少なくとも33%減となるなど、「メモリ市場の不安定な性質によるもの」だという。2019年上半期売上高が50億米ドルを超えているのはトップ15社のうち9社で、前年同期と比べると1社少ない結果となっている。

前年から2社入れ替え、ソニーが唯一プラス成長

 また、ソニーが14位(前年同期19位)、ファブレスICサプライヤーのMediaTekが15位(同16位)とトップ15入りを果たした。トップ15の企業の中で、2019年上半期売上高が前年同期比でプラス成長となったのはソニー1社だけであり、順位を一気に5位上げる形になっている。ソニーの半導体売上高の90%はOSDで、特にスマートフォン向けのCMOSイメージセンサーによるものだ。

 ランキングから、ファウンドリーのTSMCを除いた場合には、2019年上半期の売上高35億米ドルで、前年同期比25%増という急成長を遂げたHiSiliconが15位となるという。ただ、HiSiliconの売上高の90%以上が親会社であるHuawei向けのため、IC Insightsは、「米国政府によるHuaweiのブラックリスト登録は、HiSiliconの2019年下半期の売上成長率を低下させる可能性がある」としている。

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