においセンサーと機械学習で「においの見える化」:CEATEC 2019
太陽誘電は、「CEATEC 2019」で、「においセンサー」や「SMD型全固体リチウムイオン二次電池」などを参考展示した。
工場内外での異常をにおいで検知
太陽誘電は、「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)で、「においセンサー」や「SMD型全固体リチウムイオン二次電池」などを参考展示した。
「においの見える化」を可能にするにおいセンサーは、さまざまなガス成分を検出し、そのパターンでにおいを識別する。同社は、センシング方式としてMEMS半導体タイプとQCMタイプのセンサーを用意している。
センサー素子には、アンモニアやエタノールなど、ガス成分を選択的に吸着する独自の感応膜を形成している。これによって、センサー素子はそれぞれのにおい分子に反応、その吸着量に応じて変化する抵抗値あるいは周波数を測定し、機械学習によってにおいを識別することができるという。
ブースでは、MEMS半導体タイプのにおいセンサーモジュールを用いて、大気中のガス成分をモニタリング。検出したデータを分析し、「快適」か「不快」なのかを判断してスマートフォンやディスプレイに表示するデモを行った。
同社は、室内や車内の快適な環境づくりや工場内外での異臭や異常検知などの用途に、においセンサー応用のソリューションを提案していく。
この他、SMD型全固体リチウムイオン二次電池の試作品も展示した。外形寸法として4.5×3.2mmタイプ、8.0×8.0mmタイプ、18×13mmタイプなどがある。小型で、パルス放電時の電圧ドロップが小さいなど応答性に優れているのが特長だという。
ブースでは、太陽電池と全固体リチウムイオン二次電池、モーターを接続してプロペラを回転させるコンセプト展示を行った。通常は太陽光で発電した電気を全固体リチウムイオン二次電池に蓄え、その電気でモーターを駆動させる。太陽光を遮っても、全固体リチウムイオン二次電池に蓄えられた電気が供給されるため、モーターは回り続けた。
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