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第5世代(5G)移動通信システムの周波数割り当て:福田昭のデバイス通信(210) 2019年度版実装技術ロードマップ(21)(2/2 ページ)
「第5世代(5G)移動通信システム」の内容を紹介するシリーズ。今回は、5Gで利用する3つの周波数帯と、移動体通信事業者4社の割り当てについて説明する。
移動通信事業者4社に10枠を割り当て
これらの周波数枠に対し、移動体通信事業者4社が割り当てを申請した。具体的には、NTTドコモ、KDDI/沖縄セルラー、ソフトバンク、楽天モバイルである。NTTドコモとKDDI/沖縄セルラー、ソフトバンクはそれぞれサブシックスで2枠、28GHz帯で1枠を申請した。楽天モバイルはサブシックスと28GHz帯ともに1枠ずつの申請である。サブシックスの申請数は7枠となり、1社の希望枠1枠が不足する状況となった。
移動通信事業者4社の5G周波数割り当てに関する申請内容。なお、このスライドはロードマップには掲載されていないので注意されたい。出典:総務省総合通信基盤局「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望」(2019年6月27日公表) (クリックで拡大)
申請内容を審査した結果、ソフトバンクに対する割り当ては申請に対して1枠、減らされることとなった。すなわち3.7GHz帯の5枠が4社(KDDI/沖縄セルラーが2枠、残り3社は1枠ずつ)に、4.5GHz帯の1枠がNTTドコモに割り当てられた。28GHz帯の4枠は、申請した4社が1枠ずつを獲得した。
移動通信事業者4社に対する割り当ての結果。なお、このスライドはロードマップには掲載されていないので注意されたい。出典:総務省総合通信基盤局「第5世代移動通信システム(5G)の今と将来展望」(2019年6月27日公表) (クリックで拡大)
(次回に続く)
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