ラティス、28nmFD-SOIの新FPGAプラットフォーム:「エッジAIに最適」と強調(2/2 ページ)
Lattice Semiconductor(ラティスセミコンダクター)は2019年12月10日(米国時間)、28nm FD-SOI(完全空乏型シリコン・オン ・インシュレーター)を採用した新たな低消費電力FPGAプラットフォーム「Nexus」および、その最初の製品となる「CrossLink-NX」を発表した。
低消費電力、高信頼性、ハイパフォーマンス、小型化
Nexusの第1弾製品が「CrossLink-NX」だ。
ロジックセルサイズが17Kの「CrossLink-NX-17」と40Kの「CrossLink-NX-40」の2つがあり、前述のように低消費電力とハイパフォーマンスモードを選択可能となほか、競合の同クラスFPGAと比較し最大75%低い消費電力、最大100倍のソフトエラーレートに対する信頼性、10分の1の小型パッケージを実現したとしている。
また、1ロジックセル当たり170ビットと「同クラス最高のメモリ−ロジック比率」(同社)となっており、既存の同社製品と比較し2倍の性能を実現。「より効率の良いAI処理を実現する」という。
2.5Gビット/秒のMIPI D-PHYや5Gビット/秒のPCIeをハードウェアロジックとして搭載しているほか、プログラマブルIOとして1.5Gビット/秒で動作する作動インタフェースを12ペア搭載。IOの数は最大192となっている。さらに、高速起動、産業用モーター制御など、長い起動時間が許容できないアプリケーションをサポートするため、IOブロックは3ミリ秒以内に起動をできるうえ、デバイス全体の起動も15ミリ秒以内で可能とした。
Chen氏は、これらの性能向上によって、複数センサーや複数ディスプレイのサポート、高解像度、高フレームレート、MIPIと従来のインタフェースの接続、そして低消費電力でのエッジAI処理、といった組み込み市場のトレンドに対応できる、と説明した。CrossLink-NXは既にサンプル提供中だが、量産出荷については2020年末ころを予定しているという。
同社はCrossLink-NXの発表にあたり、FPGA開発ソフトウェア最新バージョン「Radiant 2.0」の提供も開始。オンチップデバッグやタイミング解析ツール、ECOエディタ、シグナルインテグリティ解析などの新たな機能によって、「FPGAの開発をより早く、より簡単に行うことができる」としている。
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