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太陽誘電、2021年度中に全固体電池を量産開始:小型化と大容量化の両立を可能に
太陽誘電は、全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)を開発した。2020年度中にサンプル出荷を始め、2021年度中に量産を開始する予定である。
独自の酸化物系固体電解質セラミックスを採用
太陽誘電は2019年12月、積層セラミックコンデンサー(MLCC)で培った材料技術やプロセス技術を応用し、全固体リチウムイオン二次電池(全固体電池)を開発したと発表した。2020年度中にもサンプル出荷を始め、2021年度中に量産を開始する予定である。
開発した全固体電池は、外形寸法が4.5×3.2×3.2mmの4532サイズや1.0×0.5×0.5mmの1005サイズが中心となる。セパレーターを不要にする独自の酸化物系固体電解質セラミックスを用いたり、積層プロセスを採用したりすることで、全固体電池の小型化と大容量化を両立させることが可能となった。
今回採用した酸化物系固体電解質セラミックスは、大気に含まれる水分や二酸化炭素と反応することはほとんどないという。電解液を用いないため燃えることもない。その上、同社の主力事業であるMLCCの製造技術を転用して、全固体電池を量産できるのも強みとなる。
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