連載
部品内蔵基板の組み立て技術:福田昭のデバイス通信(219) 2019年度版実装技術ロードマップ(30)(3/3 ページ)
今回は、部品内蔵基板の組み立て工程を紹介する。半導体チップをフェースダウン(回路面を下にした状態)で基板に搭載する技術、フェースアップ(回路面を上にした状態)で基板に搭載する技術、微細な配線を形成できる技術の3つについて解説したい。
微細配線を形成可能な部品内蔵基板
最後は、微細な配線を形成可能な部品内蔵基板の組み立て技術を紹介する。完成ウエハーの回路面にCuバンプを形成し、ウエハーの裏面を研削し、シリコンダイを切り出す。シリコンダイ搭載用のキャビティー(空洞)を形成済みのガラスエポキシ基板(ガラエポ基板)の底面にシリコンダイ保護層を貼る。続いてシリコンダイをフェースダウンでガラエポ基板のキャビティー内に仮配置し、シリコンダイとガラエポ基板のすき間を誘電体材料で埋める。シリコンダイの裏面側に支持基板(ガラス基板など)を貼り付け、表面側の保護層を剥がす。
それからチップファーストの微細配線FO-WLP(組み立て技術のイメージ図)の組み立て工程と同様に、再配線層を形成する。再配線層の形成が完了したら、支持基板を剥離し、はんだボールを搭載する。最後に個別のパッケージあるいはモジュールとしてガラエポ基板を個別に切り分ける。再配線層の線幅/間隔は2μm〜5μm/2μm〜5μmと狭い。ただしガラエポ基板は寸法が例えば500mm×400mmとシリコンウエハーの直径300mmよりも大きいので、反りを抑える対策が必須である。
(次回に続く)
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