2019年のエレクトロニクス業界を記事で振り返る:政治に翻弄された1年に(3/4 ページ)
2019年の主なニュースを、EE Times Japanに掲載された記事で振り返ります。
7月
・「対韓輸出規制」、電子機器メーカーの怒りの矛先は日本に向く?
日本政府による、半導体材料の対韓輸出管理の強化が7月4日に発動されました。長い目で見ると、日本の半導体材料および装置メーカーにどのような影響を与えるのか。専門家やアナリストたちは強い懸念を表明しました。
デンソーとトヨタ自動車が、車載半導体の開発会社を共同出資で設立することを発表しました。500人規模の企業で、2020年4月の設立を目指しています。車載半導体の勢力図は、今後どう変わるのでしょうか。
「やはり、そう来たか――」。ニュースを知った瞬間にこう思いました。Intelが5Gモデムの撤退を発表した時から予測はしていましたが、思っていたよりも早い発表でした。買収金額は約10億米ドルとされています。
8月
村田製作所が、イワミ村田製作所(島根県大田市)に47億1000万円を投じて、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産能力を拡大すると発表しました。同社は2020年度の見通しについて、在庫調整が終わり、MLCCの需要が回復、特に5G関連で需要が拡大すると述べています。
Micron TechnologyがシンガポールのNAND型フラッシュメモリ工場の拡張を完了しました。メモリ市場は2019年を通じて低迷し、Micronもメモリ減産など投資計画の一部縮小を発表しましたが、一方で広島工場とシンガポール工場の拡張を完了するなど、生産能力と開発能力の拡大を積極的にアピールした年でもありました。
9月
・MIT、カーボンナノチューブでRISC-Vプロセッサを開発
米マサチューセッツ工科大学(MIT)が、カーボンナノチューブ(CNT)トランジスタを使った16ビットのRISC-Vプロセッサの開発に成功しました。既存の半導体製造プロセスを適用できることも大きな特長です。
・認証プログラム開始のWi-Fi 6、20年末には16億台が搭載へ
新しい無線LAN規格「Wi-Fi 6」の対応に向けた認証プログラムがスタートしました。Wi-Fi 6対応製品の出荷は一部で既に始まっています(Apple「iPhone 11」など)が、本格的な認証はこれから。2020年末までに16億台の対応製品の出荷が予想されています。
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