ImaginationとApple、新しい契約締結へ:技術利用停止の通達から2年半
Imagination Technologies(以下、Imagination)は2020年1月2日(英国時間)、Appleと新しい契約を締結したと発表した。
Imagination Technologies(以下、Imagination)は2020年1月2日(英国時間)、Appleと新しい契約を締結したと発表した。プレスリリースによると、「2014年2月6日に発表したAppleとの複数年にわたる、複数利用のライセンス契約を、Appleがより広範囲にImaginationの技術にアクセスできる形の新しいライセンスに置き換えた」という。
ImaginationのGPU IP(Intellectual Property)を長年使用してきたAppleは2017年、「今後15カ月〜2年以内にImaginationの技術利用を停止する」と、Imaginationに通達した。
新しいライセンス契約について、Imagination CEOのRon Black氏にコメントを求めたが、同氏からは得られなかった。ただ、Imaginationが、Appleからの通達を受けてから経験したことを考えると、今回のニュースはImaginationにとって非常に重大なのではないか。
Imaginationから、ライセンス契約に至った背景についてコメントは得られなかったが、恐らくAppleは、通達していた「15カ月〜2年間」の間にImaginationの特許に関する取り決めや合意などに達しなかったのではないだろうか。その可能性は十分にあると推測できる。さらに、Black氏をはじめとする新しい経営陣と、Imaginationを買収した中国政府系ファンドのCanyon Bridgeがもたらした安定性は、Appleとの新たな契約に向けた再交渉にひと役買ったと考えられる。
Imaginationの最高マーケティング責任者であるDavid Harold氏はEE Timesに対し、「(1月2日の)発表についてコメントすることはできないが、2020年のImaginationにとってよい兆候の一つだと感じている。当社は回復基調にある。新しいリーダーシップや新しい人材に恵まれ、PowerVRアーキテクチャの第10世代となる『IMG Aシリーズ』も発表したばかりだ(2019年12月3日)。さらに業界では、レイトレーシングの価値への理解も深まってきている」と語った。
5G(第5世代移動通信)によってAR(拡張現実)の存在感が高まり、次世代のゲーム機ではグラフィック品質のさらなる向上が求められる中、レイトレーシングも、Appleとの新しい契約において将来が期待される分野の一つとなるだろう。Imaginationは、レイトレーシング機能を統合した新しいGPU IPを2020年後半あるいは2021年初頭にリリースする予定だ。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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