ドローン利用の「移動通信中継局」を共同開発:ブルーイノベーションと京セラ
ブルーイノベーションと京セラは、ドローンを利用した「移動通信中継局」を共同開発することで合意した。今後、5GやLTEなどの通信網による実証実験を行い、2021年度中の商用化を目指す。
携帯電話の電波が届かない災害現場などを迅速にカバー
ブルーイノベーションと京セラは2020年1月、ドローンを利用した「移動通信中継局」を共同開発することで合意したと発表した。今後、5GやLTEなどの通信網による実証実験を行い、2021年度中の商用化を目指す。
ブルーイノベーションは、複数のドローン・ロボットを遠隔で制御し、統合管理するための基盤プラットフォーム「Blue Earth Platform(BEP)」を中核技術として、点検や警備、物流、教育・安全および、エンターテインメントの分野でサービスを行っている。今回は、京セラが有する無線通信技術と融合させることで、ドローンの活用領域をさらに拡大していく狙いがある。
共同開発では、ブルーイノベーションが移動通信中継局システム中の「バックエンドシステム(サーバ対応)」と「フロントエンドシステム(画面インタフェース)」の構築を担当する。京セラは、ドローン中継局に搭載して5G/LTE網を構築するための「セルラー通信ユニット」の開発を行うことになっている。
災害時など携帯電話の電波が届かないエリアに、通信中継局機能を搭載した複数のドローンを飛行させれば、平常時と同じように携帯電話での通信が可能となる。しかも、ドローンに搭載された通信ユニットが通信エリアを判断し、自動で通信網を形成できるという。
なお、開発品は米国ラスベガスで開催された「CES 2020」(2020年1月7〜10日)のブルーイノベーションブースに参考展示した。
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