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ams、VCSEL採用の小型LiDARモジュールをデモ展示オートモーティブ ワールド2020

amsは、「オートモーティブ ワールド2020」で、車載向けVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)技術を用いた小型LiDARモジュールのデモ展示などを行った。

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2021年登場の「自動運転レベル3」対応車に採用決まる

 amsは、「オートモーティブ ワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)で、車載向けVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)技術を用いた小型LiDARモジュールのデモ展示などを行った。2021年に登場する「自動運転レベル3」対応車に、このモジュールが採用されるという。

 同社が提供するVCSELは、複数のレーザーダイオードをアレイ状に配置し、それぞれの素子を個別にオンオフ制御することができる。また、光学レンズと組み合わせることによって、従来の回転ミラーなど可動部をなくし、高い信頼性と小型化を実現した。しかも、レーザーダイオードを順次点灯させるスキャニング方式としているため、少ない消費電力で比較的長距離の測定を可能にした。

 同社はソリッドステートLiDAR技術の普及を促進するため、ドイツのIbeo Automotive Systemsなどと提携している。デモ展示した小型LiDARモジュールも、amsが提供したVCSEL製品とドライバーICを用い、Ibeoが光学レンズや受光素子、ソフトウェアなどを組み合わせて製品化した。

 展示したモジュールの外形寸法は120×100×70mmと極めて小さい。最大300mまでの距離を測定できるという。「周辺回路も含めて小型化が可能であり、ヘッドライト部への実装なども可能」(説明員)と話す。量産開始は2021年の予定である。

デモ展示した小型LiDARモジュールとその表示画面 (クリックで拡大)

照明光源に近赤外のVCSEL採用

 ドライバーモニター向けソリューションも紹介した。運転者の顔や目線などを検知するシステムは、VCSELとマイクロレンズアレイ拡散板を組み合わせた近赤外照明とカメラモジュールなどを用いる。また、ハンドルをつかんでいる状態を、より正確に検知できるシステムなどもデモ展示した。

 顔や目線を検知するシステムの特長は、照明光源として波長が940nmなどの近赤外VCSELを用いている点だ。マイクロレンズアレイ拡散板により、照射する領域もイメージセンサーの画角に合わせて発光させる。これにより、太陽光など外乱光の影響を減らして撮像をすることができる。しかも、受光素子でカットされる波長も少ないため、LED照明に比べて明るい画像を得ることができる。夜間やコントラストの大きいシーンでも画質の劣化は少ない。

 イメージセンサーについては、産業用途向けの1.3Mピクセル品をデモ機に搭載したが、今後は車載仕様の製品として、画素数が2Mピクセル台の製品開発も行う予定である。

 ブースでは、運転席を想定したデモシステムのダッシュボード部分に近赤外照明とカメラモジュールを実装し、モバイル機器用に自社開発した顔認識用のソフトウェアや、サードパーティ製の眠気検知あるいは目線検知用ソフトウェアを活用して、ドライバーモニターの実演デモを行った。

 また、運転手がハンドルをつかんでいる状態を検知するシステムも併せて紹介した。一般的には静電容量を測定し、その状況を判断する。同社のソリューションは静電容量に加えてインピーダンスも測定する。これによって、手袋を装着しているような場合でも、より正確に静電容量を測定することができるという。

 しかも、ハンドル内に埋め込まれた導電性金属部分やヒーターエレメントを活用して検知するため、特別なセンサーシートを用意する必要はない。デモではセンサー入力が1チャネルのみだったが、IC自体は最大10チャネルまでの入力に対応することが可能である。


ドライバーモニター向けソリューションのデモ展示

 この他、携帯電話向けで多くの実績を持つ「1D ToFセンサー」のデモを行った。人物を検知してアプリケーションを起動させる機能やカメラのオートフォーカス機能などに用いられているという。高精度な距離測定が行える特長を生かし、車載用途でもその応用を提案する。その1つがドライバーモニターシステム。顔の奥行き情報などを追加することで、より精度の高いモニターが可能となる。この他、置き去り防止に向けた車室内のモニタリング、車両周囲の障害物検知などの用途を想定している。

 既に、民生機器や産業機器向け製品を供給しており、2023年までには車載仕様の製品を用意していく。現在、検出可能な距離は最大2.5mだが、5mまで検知可能な製品も開発中である。

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