連載
小型化と大容量化が進む積層セラミックコンデンサ:福田昭のデバイス通信(224) 2019年度版実装技術ロードマップ(34)(2/2 ページ)
今回は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)を取り上げる。積層セラミックコンデンサの特長と、小型化、大容量化の推移をたどる。
2018年には1000μFの超大容量MLCC製品が登場
積層セラミックコンデンサ(MLCC)の弱点に、静電容量の低さがある。ほかのコンデンサと比較すると、現在のところMLCCは100μF以下の領域をカバーしており、100μF以上の大容量品ではフィルムコンデンサとアルミ電解コンデンサが主流となっている。
MLCCの大容量化では、誘電体と内部電極を薄くすることによって単位体積当たりの静電容量を拡大する試みが継続されてきた。立方ミリメートル当たりの静電容量だと1998年には1μFだったのが、2003年には10μFに、2013年には100μFと15年で約100倍に向上している。2015年4月には4532サイズ(長さ4.5mm×幅3.2mm×厚み2.5mm)のMLCCで470μFの大容量品が太陽誘電によって製品化された。
さらに2018年5月には、太陽誘電が4532サイズ(長さ4.5mm×幅3.2mm×厚み3.2mm)で静電容量が1000μFと大きなMLCC(定格電圧2.5V)を開発し、量産を始めた。MLCCとしては世界最大容量だとみられる。
(次回に続く)
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