超音波センサーが自動運転やロボット、オフィス機器などの高度化を支援:福田昭のデバイス通信(242) 2019年度版実装技術ロードマップ(52)(2/2 ページ)
今回は超音波センサーを取り上げる。超音波センサーの原理と種類を説明する。
自動車、掃除ロボット、スマートフォン、複写機などが搭載
話題が逸れた。本題に戻そう。超音波の発信と受信には通常、圧電セラミックスを使う。圧電セラミックスには電圧を印加すると伸縮し、機械的な変形によって電圧を発生するという性質がある。前者の性質を利用して超音波を発信し、後者の性質を利用して超音波を受信する。

超音波センサーの概要。左上は主な種類と用途。左下は防滴型超音波センサーを搭載した自動車の検知範囲。右上は圧電セラミックス(PZT)を使った超音波発生の原理。右中央は開放型超音波センサーの断面構造図。出典:JEITA(クリックで拡大)
超音波センサーは構造や周波数などの違いによって、主に4種類に分かれる。「防滴型」「開放型(リードタイプ)」「開放型(表面実装タイプ)」「高周波型」である。
「防滴型」は「防水型」とも呼ばれており、屋外での使用を前提に防滴・防水の金属ケースにセンサーを密閉している。単体で送受信を兼用する。主な用途は自動車の近距離検知(駐車支援)である。超音波の周波数は40kHz〜70kHz。大きさは例えば直径14mm×厚さ9mmである。
「開放型(リードタイプ)」は、上面に穴が空いた開放構造となっているケースにセンサーを収容している。高い音圧と高い感度を特長とする。穴が空いているので、使用場所は屋内である。また単体では送信用と受信用のどちらかとなる。主な用途は自動車の防犯用アラーム(バーグラアラーム、カーアラーム、オートアラームなど)や住宅用掃除ロボット、民生用ドローンなどである。超音波の周波数は40kHz。大きさは例えば直径10mm×厚さ7mmである。
「開放型(表面実装タイプ)」は、「開放型(リードタイプ)」と同様に上面に穴が空いたケースにセンサーを収容している。違うのは、ケースが表面実装タイプであること、単体で送受信を兼ねること、小型薄型であること、感度はリードタイプよりも低いこと、などである。主な用途は、普通紙複写機の人体検知による起動、スマーフォンの近接センサーなど。超音波の周波数は40kHz。大きさは例えば5.2mm角×厚さ1.2mmである。
「高周波型」は、普通紙複写機やプリンタ、スキャナーなどの紙送りで、2枚以上が送られることを検知することに特化したもの。単体では送信用と受信用があり、紙を挟むように送信用センサーと受信用センサーを配置する。超音波の反射ではなく、減衰量から紙の枚数を推定する。超音波の周波数は300kHzとかなり高い。大きさは例えば直径10mm×厚さ7mm。
(次回に続く)
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