ニュース
TSMCが4nmプロセスの存在を明らかに:既に商談も開始
TSMCは2020年6月9日(台湾時間)、これまで発表されたことがなかった4nmプロセスについて言及した。同社のロードマップに既に存在する、5nmと3nmの間のプロセスである。
TSMCは2020年6月9日(台湾時間)、これまで発表されたことがなかった4nmプロセスについて言及した。同社のロードマップに既に存在する、5nmと3nmの間のプロセスである。
TSMCのチェアマンを務めるMark Liu氏は、台湾・新竹で開催されたプレスイベントで、米国EE Timesに「『N4』(4nmプロセス)は『N5』(5nmプロセス)からの進化である。N4に関して、既に顧客と商談中だ」と語った。
TSMCは、サブ7nmプロセスで唯一のライバルであるSamsung Electronicsに対して、ギャップを埋めつつある。
一部の報道によると、Samsungは3nmプロセスでの生産を2022年にも開始するという。Samsungはソウルの南に位置する平沢市に5nmプロセス工場を建設するために1160億米ドルを投資しており、TSMCからシェアを奪おうとしている。
TSMCは既に生産を開始しているN5に続き、「N5P」、N4という3つのノードを1セットにして生産能力を高める予定である。TSMCは、N5Pを2022年に、N4を2023年に投入する計画であるとLiu氏は述べている。
今回のニュースは、TSMCが公式なプレスリリースを発表する前のリーク情報だったため、TSMCは、N4プロセスについて上記以外の情報を述べることは避けた。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- TSMCの2021年見通しは好調、AMDのシェア拡大で
米国の投資会社であるWedbush Securitiesでシニアバイスプレジデントを務めるMatt Bryson氏は、「TSMCは2021年に、堅調な回復を遂げていくと予測される。その背景には、AMDなどのファブレスメーカーが現在、Intelから市場シェアを奪い取っているということがある」と述べる。 - TSMCの20年Q1売上高、7nmプロセスが全体の35%に
TSMCは2020年4月16日(台湾時間)、同年第1四半期(1〜3月期)の売上高が103億1000万米ドルで、前年同期比45.2%増となったと発表した。5G(第5世代移動通信)やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)製品がけん引したという。 - 「当面は微細化を進められる」 TSMCが強調
TSMCは、米国カリフォルニア州サンタクララで2019年4月23日(現地時間)に開催した年次イベント「TSMC 2019 Technology Symposium」において、半導体のさらなる技術進展を実現すべく、同社のロードマップに「N5P」プロセスを追加したことを発表した。 - “アフター・コロナ”の半導体産業を占う 〜ムーアの法則は止まるのか
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響は各方面に及んでいる。もちろん半導体業界も例外ではない。最先端の微細化など次世代の技術開発ができない、製造装置が入手できない――。半導体産業では、これが現在の最大の問題である。本稿では、なぜそうなのか、今後どうなるのかを考察する。 - 「11インチiPad Pro」のLiDARスキャナーを分解
Appleが2020年3月に発表した「11インチiPad Pro(以下、特に記載がなければ2020年モデルを指す)」にはLiDARスキャナーが搭載されている。Yole Developpementの一部門であるSystem Plus Consultingは、11インチiPad Proを分解し、3Dセンサーモジュールを観察している。