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ローム、耐圧1200Vの第4世代SiC MOSFETを開発:進化を続けるダブルトレンチ構造
ロームは、第4世代となるSiC MOSFETを開発し、ベアチップでのサンプル提供を始めた。耐圧1200Vの新製品は、短絡耐量時間を維持しながら低オン抵抗を実現した。
従来品に比べオン抵抗を40%低減、スイッチング損失はほぼ半減
ロームは2020年6月、耐圧1200VのSiC MOSFETを開発、ベアチップでのサンプル提供を始めると発表した。SiC MOSFETとして第4世代となる新製品は、短絡耐量時間を維持しながら低オン抵抗を実現した。
同社は、2010年よりSiC MOSFETの量産を始め、車載信頼性規格「AEC-Q101」準拠の製品などもいち早く供給してきた。このため、車載充電器などの用途で高いシェアを獲得している。近年は、次世代電動車(xEV)の主機インバーターシステムや電気自動車(EV)のバッテリーなどの用途で、高耐圧かつ低損失のSiCパワー半導体が求められているという。
新製品は、独自のダブルトレンチ構造をさらに進化させた。これにより、短絡耐量時間を維持しながら、単位面積当たりのオン抵抗を、第3世代品に比べて約40%低減した。また、低オン抵抗化などでスイッチング特性に影響を及ぼす寄生容量についても、ゲートドレイン間容量(Cgd)を大幅に削減することで、第3世代品に比べスイッチング損失をほぼ半分とした。
新製品は、車載インバーターシステムや産業機器向けスイッチング電源などの用途に向ける。なお、当初はベアチップでのサンプル品供給となるが、今後はディスクリートパッケージによるサンプル品の提供も予定している。
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