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ローム、NXP製プロセッサ向けPMICを開発部品点数と実装面積を大幅に削減

ロームは、NXP Semiconductors製アプリケーションプロセッサ「i.MX 8M Nano」ファミリー向けのパワーマネジメントIC(PMIC)「BD71850MWV」を開発、量産を始めた。

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降圧DC-DCコンバーターとLDOを各6チャンネル搭載

 ロームは2020年2月、NXP Semiconductors製アプリケーションプロセッサ「i.MX 8M Nano」ファミリー向けのパワーマネジメントIC(PMIC)「BD71850MWV」を開発、量産を始めたと発表した。

 BD71850MWVは、i.MX 8M Nanoファミリーの電源系統に合わせて設計したPMIC製品。具体的には、降圧DC-DCコンバーターとLDOをそれぞれ6チャンネル分や、制御ロジックなどを1チップに集積している。

 このため、i.MX 8M Nanoファミリーに内蔵されたプロセッサコアだけでなく、DDRメモリへの電源供給も可能である。また、SDXCカードインタフェース用1.8V/3.3Vスイッチ、32.768kHz水晶振動子のバッファ、出力短絡や出力過電圧などに対する保護機能なども搭載した。

BD71850MWVの外観と回路ブロック図 出典:ローム

 しかも、搭載した降圧DC-DCコンバーターは、電力変換効率が最大95%と高い。入力電圧範囲も2.7〜5.5Vと広く、1セルのリチウムイオン電池からUSBまで幅広く対応することができるという。

 パッケージは外形寸法が7×7mm、高さ1mmの56端子QFNで供給する。i.MX 8M NanoファミリーとDDRメモリの接続が容易に行えるような端子配置となっており、基板のレイアウト設計における作業負荷を軽減できるという。必要な電源機能を1チップに集積したことにより、同様の電源系統を個別部品で構成した場合に比べ、部品点数を42個、実装面積を42%、それぞれ削減できるという。両面実装にすると、400mm2以下で電源機能を構成することが可能となる。

 BD71850MWVは、「RUN」や「IDLE」「SUSPEND」といったパワーモードに対応したシーケンサーを搭載している。このため、I2CインタフェースとOTP ROMを介して、各電源の出力電圧やオンオフ制御などをカスタマイズすることで、用途に合わせた柔軟な対応が可能となる。サンプル価格(税別)は800円。

 この他、ロームはBD71850MWV用のLinuxドライバーをはじめ、設計ガイドライン、レファレンス回路などを用意している。NXPは、BD71850MWV搭載の「i.MX 8M Nano EVK」を提供する。

 NXP製のi.MX 8M Nanoファミリーは、動作周波数が最大1.5GHzの「Arm Cortex-A53」コアを最大4個と、動作周波数が最大750MHzの「Arm Cortex-M7」コアを搭載するなど、高い演算能力と省電力性能を備えたアプリケーションプロセッサである。

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