Keysight Worldは「キーサイトの戦略そのもの」:自動車市場向けの新製品も発表(3/3 ページ)
キーサイト・テクノロジーは2020年7月14日、同社のユーザー向けイベント「Keysight World 2020 東京」(7月16〜17日)の開催を前に、オンラインで記者発表会を実施した。
EVの高速充電に向けた新製品を発表
Chie氏は、特にCASEについて、クルマの電動化やそれに伴う通信、セキュリティへの要求の高まりなど「業界そのものがまさにトランスフォーメーション中だ」と強調。「特に日本では自動車業界は大きいが、キーサイトが他業界などで蓄積してきたノウハウを用いてどう貢献するか、日本法人として特に力を入れている」と語った。同社では、自動車市場に関して重要な世界の4地域に「カスタマーセンター」を設置し、そのうち1つを名古屋市に置いている。
同社は2020年7月14日(米国時間)、この電動自動車(EV)およびEV充電機器(EVSE)に向けた新製品も発表した。航続距離の長距離化および充電時間の短縮に向け、高出力/高速充電の開発が進み、その規格も急速に進化を続けているが、今回発表したのは、そうした高出力/高速充電に対応した「Scienlab CDS ハイパワーシリーズ」だ。
同社はこれまでにも、150kW(500V✕300A)までに対応する「Scienlab CDS ポータブル」を提供してきたが、今回の製品は最大900kW(1500V✕600A)までの高出力充電に対応可能なハイパワー版となる。モジュール式となっており、CHAdeMOやCCS、GB/Tなど各充電規格に対応できる。次世代の急速充電については、大電流を流すことからケーブルを水冷式にすることが求められるが、新製品は水冷ケーブルにも対応可能だ。
キーサイトは、同時に、ACもしくはDC充電中に使用されるEMC対応の充電アナライザー「Scienlab CDS EMC シリーズ」も発表した。EVおよびプラグインハイブリッド車で求められる充電中のEMC試験に向けた製品だ。同社は、「特別なEMC対応のシールド設計とその中に組み込まれた低ノイズコンポーネントにより、Scienlab CDS EMC シリーズからの放射ノイズは最小限に抑えられている。これにより干渉することなく実際の充電条件下でEVおよびEVSEのEMC 試験が可能になる」としている。
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