LEDバックライトやゲーム機向け好調で営業益61%増:ミネベアミツミ2020年度Q1決算(2/2 ページ)
ミネベアミツミは2020年8月4日、2021年3月期第1四半期(2020年4〜6月)の営業利益が前年同期比61.4%増の53億6400万円になったと発表した。主力のボールベアリングの売り上げが低迷したものの、スマートフォン向けLEDバックライトやゲーム機向けの機構部品などが好調だった。売上高は前年同期比8.3%減の1874億6300万円だった。
売り上げ徐々に回復、上半期は前年並みの着地か
ミネベアミツミ会長兼社長の貝沼由久氏は、「売り上げは徐々に戻ってきており、上半期は営業利益的には前年並みに推移するのではないかとみている」と説明。一方で下半期は依然として不透明な状況が進むとしており、2021年3月期の通期見通しは、2020年5月に発表した幅を持たせた数値を維持した(下図)
主力のボールベアリングの足元の状況については、「5G(第5世代移動通信)関連のファンモーター向けが増え自動車向けが大きく落ちたが、ここにきて自動車市場が元気になりつつある。自動車向けベアリングは、日本向けでは1000万個売れればかなり強いが、7、8月はその達成が見えている。また、欧米も増加傾向だ」と説明。自動車向けは2Q、3Qとも回復に向かうとする見立てを示した。一方でファンモーター向けが過熱する米中対立の影響から、足元で「中国顧客の生産がスローダウンしている」と説明。ただ「いずれにしても、われわれのベアリングは必要であり、また力強く前進していくと思っている」と述べていた。
また、LEDバックライトについても顧客の引き合いが非常に強い状態が続いているほか、ゲーム機向けの機構部品が「2Qに大きなピークが来る」としており、「フル操業」の状態が続く見込みという。
同社の中長期の戦略のついても貝沼氏は、「成長ストーリーは全く変化がない。景気が戻ってくればさまざまな要素で収益力が一段と力強く回復していくという構図は決して変わっていないと確信している」と話した。
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