車載Bluetoothデバイス、2024年には1億台超に:新車の87%が搭載する見込み
Bluetooth SIGは2020年8月25日、オンラインで説明会を実施し、自動車市場におけるBluetoothの最新動向を説明した。
Bluetooth SIGは2020年8月25日、オンラインで説明会を実施し、自動車市場におけるBluetoothの最新動向を説明した。Bluetoothは世界で新たに製造されるクルマの87%が標準搭載しており、クルマに搭載されるBluetoothデバイス出荷数は2024年には1億900万台まで増加する見込みという。
2024年には世界のクルマの3台に2台がBluetooth搭載
Bluetooth SIGによると、Bluetoothデバイスの出荷数は年々増加しており、今後2019〜2024年の間は年平均成長率8%で成長する見通し。2024年の総出荷台数は62億台となる見込みだという。
この成長を支える分野の1つが車載向け市場だ。Bluetooth SIGによると車載Bluetoothデバイスの出荷台数は2019年の8900万台から2024年に1億900万台まで増加する見込みだという。新車の生産台数は2019年に約7500万台だったことから、既にクルマ1台に複数のデバイスが搭載されていることになる。
Bluetooth技術は既に車載インフォテインメントやキーレスエントリーなどで自動車分野の標準規格となっており、既に多くの実績がある。Bluetooth SIGによると、今後5年間にBluetoothのキーフォブやアクセサリーの年間出荷台数が60%伸びる見込みで、この傾向はますます高まる見通しだ。さらに、車載センサーネットワークの拡大によって、将来的には全てのクルマに4〜6個のBluetooth対応センサーが装備されると考えられるという。こうした結果、「2024年には道路を走る車の3台に2台がBluetooth技術が搭載されるだろう」と説明している。
キーレスエントリーには現在、RSSI(受信信号強度)を用いた仕組みが展開されている。この仕組みではセンサーからのBluetooth信号の強弱によってユーザーと自動車との距離を把握することで、施錠または解錠の動作などをしている。今後は、受信角度(AoA:Angle of Arrival)と放射角度(AoD:Angle of Departure)という2種類の方法でBluetooth信号の方向を特定する方向検知機能(2019年、Bluetooth 5.1で追加)によって、センチメートル単位の高精度化が可能になるといい、現在自動車業界のOEM、サプライヤーがこの方向検知機能を用いたソリューション開発を進めているという。Bluetooth SIGは、今後に向けセキュアな測距の担保を目指していく、と説明していた。
Bluetooth SIGによるとBluetoothは既に、世界で新たに製造されるクルマの87%が標準搭載している状況だという。ローエンド/エントリーモデルは非搭載のものが多いというが、Bluetooth SIGのマーケット開発担当シニアディレクター、Chuck Sabin氏は、「近い将来、新車の100%がBluetoothを標準装備することになると考えている」と語っている。
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