実装設備が対応すべきプリント配線板と部品供給方式のロードマップ:福田昭のデバイス通信(274) 2019年度版実装技術ロードマップ(82)(2/2 ページ)
引き続き、「実装技術動向」を紹介する。今回は、実装設備が対応すべき、プリント配線板と部品供給方式のロードマップについて解説する。
基板自動セットやリール・ツー・リールなどが要求される
「プリント配線板対応力」とは、実装設備が対応すべき「プリント配線板の材料別取り扱い形態」を意味する。プリント配線板には「多層配線板」「ビルドアップ配線板・全層ビルドアップ配線板」「フレックスリジッド配線板」「フレキシブル配線板」「COF(Chip On Film)」の5種類を取り上げた。それぞれについて「技術要求」と「キャリア」を記述している。
「技術要求」では、「デッドスペース削減」が「多層配線板」と「ビルドアップ配線板・全層ビルドアップ配線板」で挙げられる。また「基板自動セット対応」が「フレックスリジッド配線板」と「フレキシブル配線板」、「COF」の、「リール・ツー・リール対応」が「フレキシブル配線板」と「COF」の技術要求項目となっている。これらの項目について、2018年〜2028年で変化はない。
「キャリア」では、「フレックスリジッド配線板」と「フレキシブル配線板」、「COF」がマザーボード、「フレキシブル配線板」と「COF」がリール・ツー・リールをキャリアとする。こちらも2028年まで変わらない。
実装設備が対応すべき「プリント配線板の材料別取り扱い形態」のロードマップ(2018年、2022年、2028年)。なお表中の「Real to Real」は、「Reel to Reel(リール・ツー・リール)」の誤り。出典:JEITA(クリックで拡大)
テープ、トレイ、ウエハーなどの供給方式に対応
「部品供給方式への対応」は、実装設備が対応すべき、チップ部品や半導体パッケージなどの供給方式を指す。具体的には「チップ部品」「QFN、QFP」「FBGA(WL-CSP)」「FLGA」「FC(はんだバンプのフリップチップ)」を取り上げた。
「チップ部品」の供給方式には、テープとバルクがある。2022年以降は、0201部品への対応が求められる。「QFN、QFP」と「FBGA(WL-CSP)」、「FLGA」の供給方式にはトレイとテープがある。2018年〜2028年で変化はない。「FC(はんだバンプのフリップチップ)」の供給方式にはウエハーとトレイ、テープがある。こちらも2018年〜2028年で変化はない。
(次回に続く)
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