O-RAN仕様の5G基地局でCAに成功、下りは最大4.2Gbps:マルチベンダーRANで
NTTドコモ、富士通、NECは2020年9月30日、5G(第5世代移動通信)など向けに無線アクセスネットワークのオープン化(Open RAN)を進める団体「O-RAN Alliance」の仕様を用いた異なるベンダー間の5G基地局装置を使用して、5G周波数帯のキャリアアグリゲーションに成功したと発表した。3社の発表によれば、これは「世界初」だという。
NTTドコモ、富士通、NECは2020年9月30日、5G(第5世代移動通信)など向けに無線アクセスネットワークのオープン化(Open RAN)を進める団体「O-RAN Alliance」の仕様を用いた異なるベンダー間の5G基地局装置を使用して、5G周波数帯のキャリアアグリゲーション(CA)に成功したと発表した。3社の発表によれば、これは「世界初」だという。
富士通とNECの5G基地局装置の親局と、3.7GHz帯用子局、4.5GHz帯用の子局を相互接続したシステム(マルチベンダーRAN)を使用。3.7GHz帯と4.5GHz帯の5G周波数をキャリアアグリゲーションすることに成功した。異なる基地局のLTEキャリアを束ねて送受信を行えるデュアルコネクティビティと合わせると、下りで最大4.2Gbps(ギガビット/秒)の高速データ通信を実現できるようになる。
富士通の執行役員常務である水野晋吾氏はプレスリリースで、「今回の成果はO-RAN(O-RAN Alliance仕様によるOpen RAN)を普及させていく上で重要なマイルストーンであり、5Gサービスの利便性向上およびRANオープン化の発展を後押しする大きな前進と考えている」とコメントしている。
Open RANは、5Gサービスを普及、加速させていく上で重要な要素になると考えられている。通信機器ベンダーによる“制約”がなくなれば、5Gサービス向けのソフトウェア開発や運用が容易になるからだ。NTTドコモは既に、O-RANのオープンフロントホール仕様*)を用いて、富士通とNECの5G基地局の親局と子局を接続するマルチベンダーRANによる5Gサービスを提供している。
*)フロントホール仕様:基地局の親局と子局間をつなぐネットワーク仕様
O-RAN仕様の5G基地局のラインアップを拡大
さらにNTTドコモとNECは同日、O-RAN Alliance仕様を用いた5G基地局のラインアップを拡大したことも発表した。NECとSamsung Electronicsが提供するO-RAN Alliance準拠の5G親局と、NTTドコモの商用ネットワークで既に使われている他ベンダーの5G子局との相互接続に成功したという。
このように、O-RAN Allianceのインタフェース仕様に準拠した5G基地局のラインアップを増やすことで、NTTドコモは、「各ベンダーの装置の特長を生かし、エリア設計に応じて最適な基地局装置を組み合わせて設置できるようになるので、迅速かつ柔軟に5Gサービスエリアを展開していける」と、プレスリリースで述べている。
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