ルネサス、RA6M4マイコングループ9品種を発売:Arm Cortex-M33コアを搭載
ルネサス エレクトロニクスは、Arm Cortex-M33コアを搭載することで、高い処理能力と高度なセキュリティ機能を実現した「RA6M4マイコングループ」9品種を開発、量産を始めた。
IoT機器に向け、高度なセキュリティ機能を実現
ルネサス エレクトロニクスは2020年10月、Arm Cortex-M33コアを搭載することで、高い処理能力と高度なセキュリティ機能を実現した「RA6M4マイコングループ」9品種を開発、量産を始めた。これにより、Armコア搭載の32ビットマイコン「RAファミリー」は42品種に拡大した。
RA6M4マイコンは、「Armv8-Mアーキテクチャ」のArm Cortex-M33コアを搭載。最大動作周波数は200MHzで、容量が最大1Mバイトのフラッシュメモリや256kバイトのSRAMを内蔵している。
強固なセキュリティ機能も実現した。Arm TrustZoneテクノロジーとルネサス独自の暗号エンジン「Secure Crypto Engine」を組み合わせることで、改ざん検知やサイドチャンネル攻撃に対する耐性などを高めた。また、セキュリティ機能を高めるための外付け部品が不要となり、BOMコストの節減につながるという。
RA6M4マイコンは40nmプロセスで製造され、フラッシュメモリからCoreMarkアルゴリズムを実行した時の消費電力は99μA/MHzに抑えた。さらに、オンチップオシレーターにより、スタンバイ状態から起動するまでの時間は、わずか30マイクロ秒と極めて速い。
この他、DMA付きイーサネットコントローラ、静電容量式タッチセンシングユニット、2個のA-Dコンバーター、USB 2.0 Full SpeedやCAN 2.0Bインタフェース、Quad SPIおよびOctaメモリインタフェースなどの機能を搭載している。パッケージは64端子と100端子のLQFPおよび、144端子のLGAを用意した。
なお、RA6M4マイコンを応用したIoT(モノのインターネット)機器の開発を支援するツール群も用意している。ルネサスが提供する統合開発環境「e2studio」やRAファミリー用に提供している「FSP(Flexible Software Package)」をはじめ、パートナーから提供される「RA Readyソリューション」などを活用することで、開発期間の短縮を可能とした。
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