AMDがXilinx買収か、複数メディアが報じる:NVIDIA/Armに続く巨大M&A
AMDがXilinxの買収に向けて交渉を行っていると複数のメディアが報じた。早ければ来週にも何らかの公式発表がある可能性があるという。Wall Street Journal(WSJ)によると、両社が合意した場合、買収金額は300億米ドル相当になるとされている。
AMDがXilinxの買収に向けて交渉を行っていると複数のメディアが報じた。早ければ来週にも何らかの公式発表がある可能性があるという。Wall Street Journal(WSJ)によると、両社が合意した場合、買収金額は300億米ドル相当になるとされている。
AMDの株価は最近急上昇しており、これは取引がうまくいった場合、株式で支払われる可能性があることを意味している。WSJは、AMDの株価はことし89%成長し、現在の企業価値は1000億米ドルを超えるとしている。一方のXilinxは、米中貿易摩擦の影響を受け、Huaweiへの供給を継続するための免除措置を確保しようとしたが、失敗に終わった。
AMDによるXilinxの買収報道は、NVIDIAがArmを400億米ドルで買収するとの報道に続き、ことし発表された2つ目のメガM&Aとなっている。
AMDとXilinxの組み合わせは、2015年にIntelが約167億米ドルで旧Alteraを買収したことを彷彿(ほうふつ)とさせる。これは、CPUの大手サプライヤーがFPGAの専門ベンダーを買収した前例であり、特にデータセンターにおけるAI(人工知能)技術の高速化の手段として、FPGAが注目されていることの表れでもあるだろう。
ここ数年、AMDはPC市場で徐々にシェアを伸ばしてきた。さらに、長年、Intelの独壇場だったデータセンター市場(サーバ市場)でも、既に数パーセントのシェアをIntelから奪っている。
AIアクセラレーション(主にディープラーニングの高速化)にはFPGAが用いられているが、GPUも同様に使用される。NVIDIAは、自社の技術をArmの技術と組み合わせることで、AIやデータセンター市場で、さらに競争力を強化したいと考えている。
AMDによるXilinxの買収は、多くの市場セグメントでライバルとなっている企業に追い付くための手段ともいえるだろう。Intel、AMD、NVIDIA、ArmはHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)市場でも主要なベンダーの一つである。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NVIDIA CEO「買収完了に自信」、業界は懸念
数週間にわたってうわさされていたNVIDIAによるArmの買収が、ついに正式な合意に至った。NVIDIAは、400億米ドル(約4.2兆円)の株式と現金でArmを買収する。NVIDIAの創業者でCEO(最高経営責任者)を務めるJensen Huang氏とArmのCEOであるSimon Segars氏は、2020年9月14日(米国時間)に報道関係者とアナリストを対象に開催した電話説明会で今回の買収について説明し、Huang氏がこの機会に心血を注いでいることが分かった。 - 日本の半導体業界にとって“好ましいM&A”を考える
日本の半導体メーカーにとって好ましいM&Aとはどのようなものか。事業規模/内容で国内半導体メーカーをいくつかのグループに区分し、それぞれに適したM&Aを考えていく。 - パナソニック、半導体事業の売却を完了
パナソニックは2020年9月1日、台湾Winbond Electronics傘下のNuvoton Technology(以下、Nuvoton)への半導体事業の譲渡を完了したと発表した。 - Maximの買収、ADIの追い風に?
Analog Devices(アナログ・デバイセズ/ADI)のプレジデント兼CEOを務めるVincent Roche氏は2019年5月に、投資家たちに向けて、「ADIに追い風が吹いている」と語っていた。同氏はこの時、最終的にADIが2020年7月13日(米国時間)にMaxim Integrated Products(以下、Maxim)の買収を発表するに至ったさまざまな出来事について、微妙に言及していたのかもしれない。 - キオクシア、台湾LITE-ONのSSD事業を買収完了
キオクシアは2020年6月30日、台湾LITE-ONテクノロジーのSSD事業の買収を完了すると発表した。同年7月1日付で買収完了の予定。