ロボットグリッパー用接触センサーユニットを開発:果物などのピッキング作業に対応
大日本印刷(DNP)は、ロボットグリッパー向けの「接触センサーユニット」を開発した。伸縮自在の配線構造となっており、つかむと傷みやすい果物や野菜のピッキング作業を自動化することができる。
伸縮性ハイブリッド電子実装技術を活用
大日本印刷(DNP)は2020年10月、ロボットグリッパー向けの「接触センサーユニット」を開発したと発表した。伸縮自在の配線構造となっており、つかむと傷みやすい果物や野菜のピッキング作業を自動化することができる。
モノをつかんで移動させるためのロボットグリッパーは、ピッキング作業の省人化に向けて導入が進む。ただシステムには、つかんだモノを傷めないよう、「把持力」を検出するための接触センサーを装着する必要がある。しかし、これまでは接触センサーを接続するための配線ゲーブルが、断線したりピッキング作業を邪魔したりすることがあったという。
そこでDNPは、独自の「伸縮性ハイブリッド電子実装技術」を用いて、新たな接触センサーユニットを開発した。柔軟な基材を曲げたり伸ばしたりしても、抵抗値が変わらない電極配線が可能である。また、硬くて強い部品を基板上に実装しても伸縮時に断線しにくい工夫も行った。これらの技術により、接触センサーユニットを柔軟性のあるロボットグリッパーに直接装着しても、従来のように断線は発生しないという。
試作した接触センサーユニットは、伸縮配線と感圧ゴムを組み合わせた構造である。今回は特に、配線の容量変化などを考慮し、補正の必要がない感圧方式を採用した。全体の厚みは約2mmで、配線材料は銅を採用している。評価試験により、130%の伸縮動作を約100万回繰り返し行っても、電気的、機械的特性が損なわれないことを確認した。
なお、開発した接触センサーユニットは、2020年10月20〜23日にオンラインで開催される展示会「CEATEC 2020 ONLINE」の産業技術総合研究所ブース内に展示する予定である。
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