AMDがXilinxを350億ドルで買収、HPC拡大を狙う:2021年末までに完了見込み
AMDは2020年10月27日(米国時間)、Xilinxを350億米ドル(約3兆6500億円)で買収することで合意したと発表した。
AMDは2020年10月27日(米国時間)、Xilinxを350億米ドル(約3兆6500億円)で買収することで合意したと発表した。AMDによるXilinx買収は、数週間前に複数のメディアが報じていた。買収は株式取引によって行われ、2021年末までに完了する見込みだ。完了すれば、1万3000人のエンジニアを抱え、年間売上高約97億米ドルの企業となる。R&D投資額は年間27億米ドル以上になるという。2019年度の年間売上高はAMDが67億3100万米ドル、Xilinxが30億6000万米ドルだった。
FPGAは、特に、機械学習をはじめとするAI(人工知能)技術に使用されるアクセラレーターとして欠かせないデバイスになりつつある。Xilinxは近年、AIの他、5G(第5世代移動通信)やエッジAIといった分野向けにも積極的に製品を発表してきた。今回、Xilinxを買収することで、AMDはデータセンターやHPD(High Performance Computing)の分野を強化する狙いだ。
AMDのCEOであるLisa Su氏はプレスリリースで「Xilinxの買収は、AMDにとって、HPC分野のリーダーとして、また世界中の最も重要なテクノロジー企業各社から選ばれるパートナーとしての地位を確立するための次なるステップとなる」と述べている。
XilinxのCEO兼社長のVictor Peng氏は買収完了後、社長としてAMDに加わり、引き続きXilinx関連の事業を率いる。
AMDは同日、2020年第3四半期の業績も発表。売上高は、前年同期比56%増となる28億米ドル、純利益は同225%となる3億9000万米ドルだった。
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