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時速290kmで走行中のクルマを誤差約10cmで測位:自動車や鉄道の自動運転に活用
NTTドコモは、最高時速290kmで走行中のフォーミュラカーに対し、誤差約10cmで測位をすることに成功した。開発した高精度測位技術を自動車や鉄道の自動運転などに活用していく。
走行時間の96%で高精度測位が可能
NTTドコモは2020年12月、最高時速290kmで走行中のフォーミュラカーに対し、誤差約10cmで測位をすることに成功したと発表した。開発した高精度測位技術を自動車や鉄道の自動運転などに活用していく計画である。
高精度測位の実証実験は、「docomo IoT高精度GNSS位置情報サービス」(高精度GNSS)を活用し、2020年12月4〜6日に鈴鹿サーキットで開催されたフォーミュラカーのレース中に行った。実験では、レーシングチーム「DOCOMO TEAM DANDELION RACING」の車両に、GNSSアンテナとLTEを内蔵したGNSS受信機を搭載。GNSS衛星からの電波と、ドコモの位置補正情報配信サーバからの位置補正情報を用い、レース走行中のフォーミュラカーに対し、リアルタイムで測位を行った。
サーキット内に設けられたラップタイム計測用ビーコンの通過位置と、高精度GNSSで測位をしたデータについて比較したところ、その誤差はわずか約10cmであることを確認した。しかも、走行時間の96%で、高精度な測位が可能であった。
ドコモは、今回の実証実験で得られたデータを生かし、自動車や鉄道をはじめ、さまざまな環境で安定した高精度測位を実現するための検討を行っていく予定である。
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