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深紫外線LEDバータイプモジュールキットを開発:生鮮食品などの表面殺菌が可能に
東京エレクトロン デバイス(TED)は、表面殺菌装置に向けた「深紫外線LEDバータイプモジュールキット」を開発、販売を始めた。生鮮食品などに熱を与えず表面殺菌が可能となる。
バー状に深紫外線LED素子を260個搭載
東京エレクトロン デバイス(TED)は2020年12月、表面殺菌装置に向けた「深紫外線LEDバータイプモジュールキット」を開発、販売を始めると発表した。生鮮食品などに熱を与えず表面殺菌が可能となる。
新製品は、「照射モジュール」と「駆動用コントローラ」で構成される。バータイプの照射モジュールは、外形寸法が392×64×67mm、発光面寸法は360×49mmで、深紫外線LED素子を260個搭載している。照射強度は60mW/cm2である。小型ながら高出力を実現した。ピーク波長は280nm の他、265nm、285nm、310nmを選択できる。
駆動用コントローラは水冷式で、電源機能と照射制御機能に加えて冷却用ラジエーターを組み込んだ。負荷電流は100〜350mAの範囲を100階調で制御することができる。負荷電圧は最大80V。外形寸法は300×360×400mmである。
用途に応じて照射量や照射エリアのカスタム化などにも、個別に対応するという。なお、今回開発した深紫外線LEDバータイプモジュールキットは、日立造船製の製薬会社向け表面殺菌システムに採用された。
従来の深紫外線ランプを用いた表面殺菌装置は、深紫外線ランプから発する熱が対象物に伝導するため、生鮮食品やフィルム・包装材などには利用できなかった。これに対し深紫外線LEDは、発光面とは逆方向に熱が発生するため、生鮮食品などに悪影響を与えず、表面殺菌が可能だという。
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