産業用センサー、2024年は1兆4540億円規模へ:矢野経済研究所が市場調査
矢野経済研究所は、産業用センサー(環境センシング関連)6品目の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、2020年見込みの1兆1360億円に対し、2024年は1兆4540億円規模となる。2019年から2024年までのCAGR(年平均成長率)は3.4%と予測した。
2019〜2024年のCAGRは3.4%と予測
矢野経済研究所は2020年12月、産業用センサー(環境センシング関連)6品目を対象に世界市場を調査し、発表した。市場規模(メーカー出荷金額ベース)は2020年見込みの1兆1360億円に対し、2024年は1兆4540億円規模となる。2019年から2024年までのCAGR(年平均成長率)は3.4%と予測した。
今回の調査は、主に各種環境を計測する産業用センサーの中から、「ガスセンサー」や「磁気センサー」「UVセンサー」「環境光・調光センサー」「微粒子計測・PMセンサー」および、「湿度センサー」を対象とした。調査期間は2020年5〜11月。
環境への意識が世界的に高まる中で、環境センシング関連の需要が拡大する。IoT(モノのインターネット)関連機器をはじめ、車載システムや産業機器のさらなる高機能化なども需要を後押しする。
調査によれば、2020年における品目別の出荷額構成比は、ガスセンサーが最も高く約35%。磁気センサーが約20%と続く。以下はUVセンサー、環境光・調光センサー、微粒子計測・PMセンサー、湿度センサーの順である。
品目別に2019年から2024年までの年平均成長率を見ると、磁気センサーは5.6%と予測した。6品目の中で最も高い成長率となる。一方、ガスセンサーは市場規模が4000億円を超えている。市場規模は6品目の中で最も大きいが、年平均成長率は2.0%と予測しており、6品目の中で最も低い。今後は、地球温暖化ガスの大幅削減目標に向けて、CO2センサーや、車載用途の排ガス用酸素センサーおよび、NOxセンサーといった製品の需要拡大を期待している。
なお、今後の注目市場として挙げたのが、車載用磁気センサーである。車載用センサーとしては、リードスイッチを含め、2019年には大衆車クラスで1台当たり平均75個前後(ブラシレスDCモーター用ホール式センサー除く)も搭載されていると推計する。このうち50%以上を占めるのが磁気センサーだという。
車載用磁気センサーをタイプ別に見ると、ホール式センサーが金額ベースで全体の59.2%(約610億円)を占める。この他、MR式センサーが同26.2%(約270億円)、リードスイッチが同10.7%(約110億円)、フラックスゲート式センサーが同3.9%(約40億円)という構成比となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ADAS/自動運転用センサー、2025年に2.4兆円規模へ
矢野経済研究所は、ADAS/自動運転用センサーの世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)を調査した。市場規模は2020年見込みの1兆1112億円に対し、2025年は2兆4808億円に達する見通しだ。 - LiB主要4部材世界市場、2020年は前年比4.5%減
リチウムイオン電池主要4部材の世界市場(メーカー出荷金額ベース)は、2020年に前年比4.5%減の約200億3811万米ドルを見込む。矢野経済研究所が調査結果を発表した。 - 小型モーター市場、2022年に65億900万個規模へ
2020年の小型モーター市場(カーAV関連機器用は含むが、車載用は除く)は、メーカー出荷数量ベースで62億3219万個を見込む。2022年は65億900万個と予測する。矢野経済研究所が調査した。 - 5G関連デバイス、2030年に69兆5930億円規模へ
5G(第5世代移動通信)関連デバイスの世界市場は、2020年の11兆889億円に対し、2030年は69兆5930億円と予測、10年間で約6倍の規模に拡大する見通しである。矢野経済研究所が発表した。 - パワー半導体世界市場、2025年に243億5100万ドルに
矢野経済研究所は2020年7月27日、パワー半導体の世界市場予測を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でパワー半導体の世界市場は2020年にマイナス成長を見せるものの、2021年に一部分野から回復基調に転じ、2025年には243億5100万米ドルにまで成長すると予測している。 - 車載モーター市場、2030年に約56億個の規模へ
車載モーターの世界市場は、2018年の約32億個に対し、2030年には約56億個規模に拡大する見通しだ。矢野経済研究所が調査した。