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新日本無線、車載対応レゾルバ励磁用アンプを開発:励磁回路を2回路搭載
新日本無線は、車載対応レゾルバ励磁用アンプ「NJU7870」を多摩川精機と共同開発し、サンプル出荷を始めた。2021年4月から量産を始める。
ディクリートでの回路構成に比べ実装面積を90%削減
新日本無線は2021年1月、車載対応レゾルバ励磁用アンプ「NJU7870」を多摩川精機と共同開発し、サンプル出荷を始めた。2021年4月から量産を始める。
レゾルバシステムは、電気自動車やハイブリッド車に搭載される駆動用のモーター軸や回転シャフトの角度検出に用いられる。レゾルバの他、レゾルバ信号をデジタル信号に変換するR-Dコンバーターや、レゾルバに励磁信号を出す励磁回路などで構成されている。
NJU7870は、差動電圧入力と差動電流出力の回路を集積しており、レゾルバ駆動に最適な回路特性を実現した。これにより、従来のディスクリート構成に比べて、励磁回路の設計を簡素化でき、設計工数も大幅に削減できる。しかも、励磁回路を2回路搭載したことで、1相励磁や2相励磁方式など、各種レゾルバ方式との組み合せを可能にした。
NJU7870は、動作電圧が2.4〜5.5V、消費電流は4mA(代表値)、トランスコンダクタンスは13.5mAp/Vpp(代表値)、動作温度範囲は−40〜125℃になっている。パッケージは外形寸法が5.0×6.4×1.2mmのSSOP16で供給する。外付け部品は電源端子に接続するコンデンサーだけで済み、実装面積はディクリートで回路を構成していた時より、90%も削減できるという。
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