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ルネサス、64ビットMPU「RZ/G2」製品を拡充エントリークラスの3種類を追加

ルネサス エレクトロニクスは、汎用64ビットMPU「RZ/G2」製品として、Arm Cortex-A55コアを搭載したエントリークラスの3種類を新たに追加、サンプル出荷を始めた。

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Arm Cortex-A55コアを搭載、AI処理の性能を向上

 ルネサス エレクトロニクスは2021年1月、汎用64ビットMPU「RZ/G2」製品として、Arm Cortex-A55コアを搭載したエントリークラスの3種類を新たに追加、サンプル出荷を始めた。

 新製品は、「RZ/G2L」「RZ/G2LC」「RZ/G2UL」である。これらに採用したCortex-A55コアは、従来のCortex-A53コアに比べて処理性能が20%向上していて、AI(人工知能)に必要な処理を約6倍も高速に行えるという。

 特に、RZ/G2LとRZ/G2LCは、メインCPUとして動作周波数が1.2GHzのCortex-A55(デュアルコアまたはシングルコア)を、サブCPUとしてCortex-M33を搭載。RZ/G2ULはメインCPUが動作周波数1.0GHzのCortex-A55(シングルコア)で、Cortex-M33搭載品とそうでない製品を用意した。これに加え、RZ/G2LとRZ/G2LCは3Dグラフィックスエンジン「Arm Mali-G31 GPU」を、さらにRZ/G2Lはビデオコーデック「H.264」も集積している。

「RZ/G2L」「RZ/G2LC」「RZ/G2UL」の外観と、各MPUに搭載された機能 (クリックで拡大) 出典:ルネサス

 これらの機能を搭載することで、マルチメディア処理やGUI描画、AI画像処理などを効率よく実行し、センサーで収集したデータのリアルタイム処理なども、ワンチップで行うことができる。

 通信インタフェースとしては、CAN-FDやギガビットイーサネット(RZ/G2LとRZ/G2ULは2チャンネル分、RZ/G2LCは1チャンネル分)を備えている。さらに、メモリの誤り検出/訂正(ECC)機能を搭載し、DDR4/DDR3Lの外部メモリインタフェースに対応、といった特長がある。パッケージは、RZ/G2Lが15mm角と21mm角のBGA、RZ/G2LCとRZ/G2ULは13mm角のBGAでそれぞれ供給する。

 この他、産業グレードLinux「Civil Infrastructure Platform Linux」をベースとした動作検証済み「Verified Linux Package(VLP)」を提供しており、Linuxのメンテナンスコストを大幅に節減できるという。

 将来は、ルネサス独自のAIアクセラレーター「DRP-AI」を搭載した製品の開発も計画している。さらに、RZ/G2Lグループ製品向けパワーマネジメントICを開発中で、2021年後半より供給を始める予定だという。電源回路のレファレンスデザインや評価用ボードなども用意されており、既に提供を始めている。

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