ルネサス、モーター制御用マイコン4製品を発売:AIによる予知保全を可能に
ルネサス エレクトロニクスは、Armコアを搭載した32ビットマイコン「RAファミリー」として新たに、モーター制御用マイコン「RA6T1」グループ4製品の量産を始めた。「Google TensorFlow Lite」を活用すれば、モーターシステムの予知保全が可能となる。
Arm Cortex-M4コア搭載のRA6T1グループ
ルネサス エレクトロニクスは2020年10月、Armコアを搭載した32ビットマイコン「RAファミリー」として新たに、モーター制御用マイコン「RA6T1」グループ4製品の量産を始めた。「Google TensorFlow Lite」を活用すれば、モーターシステムの予知保全が可能となる。
RA6T1グループは、40nmプロセス技術を用いて設計しており、最大動作周波数が120MHzのArm Cortex-M4コアを採用した。メモリとして64kバイトのRAMや256k〜512kバイトのフラッシュメモリなどを内蔵している。この他、32ビットPWMタイマーや12ビットA-Dコンバーターなどの周辺機能を集積した。
これにより、ブラシレスDCモーターを2個同時に、高い精度で制御することができる。また、6チャネルのプログラマブルゲインアンプ(PGA)を内蔵しており、BOMコストを削減できるという。パッケージは外形寸法が10×10mmの64端子LQFPと、14×14mmの100端子LQFPを用意した。
さらに、マシンラーニング(ML)推論を行うTinyML用途向けの「Google TensorFlow Lite for Microcontrollersフレームワーク」を用いると、モーターシステムの故障につながる異常を早期に検出でき、センサーレスの予知保全システムを実現できるという。
RA6T1グループは、家電製品のモーターや空調システム(HVAC)、ソーラーインバーター、産業用ACドライブの制御など、スマートホームやビルオートメーション、産業オートメーションの用途に向ける。
ルネサスは、RA6T1のモーター制御ソリューションである「Renesas Solution Starter Kit(RSSK)」も用意した。このスターターキットにはRA6T1を搭載したCPUカードと24〜48V対応インバーターボードおよび、24V/0.42AのブラシレスDCモーターなどが含まれている。
モーター制御開発支援ツール「Renesas Motor Workbench 2.0」と「Flexible Software Package(FSP)」に対応した3シャント方式のセンサーレスベクトル制御のサンプルプログラムを同社ホームページから入手すれば、スターターキットを用いてモーター制御システムの評価を容易に行うことができる。
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