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三井金属、特殊ガラスキャリアの量産を開始次世代半導体チップ実装用

三井金属鉱業は、次世代半導体チップ実装に用いられる特殊ガラスキャリア「HRDP」について、ジオマテックと協力し量産を始めた。

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ライン&スペース2μm以下の配線パターンを形成

 三井金属鉱業は2021年1月、次世代半導体チップ実装に用いられる特殊ガラスキャリア「HRDP(High Resolution De-bondable Panel)」について、ジオマテックと協力し量産を始めたと発表した。国内のRFモジュールメーカー向けに出荷を開始したが、2021年度中には海外の大手実装メーカーなどへの供給も始まるという。

 同社は、2018年1月にHRDPの開発発表を行い、ジオマテックの協力を得ながら量産の準備を進めてきた。ここにきて安定した品質と十分な供給体制が整ったことから、本格的に量産出荷を始めることにした。

 HRDPは、ガラスキャリア表面上に多層薄膜を形成した構造である。RDL 1st工法(再配線層を形成した後に、半導体チップの実装を行う工法)を用いるファンアウト・パネルレベルパッケージに適した材料である。

 具体的には、HRDP上に「レジストを形成」し、「露光/現像」「銅メッキ」「レジスト除去」「メッキ用シード層エッチング」「絶縁層形成」「ビア形成」「シード層形成」という工程を繰り返し行い、RDLを製造する。その後、ICチップを実装してモールド材で封止を行い、剥離機能層と密着層間でガラスキャリアを剥離。回路側に残った剥離層をエッチングで取り除く。HRDPを用いると、ラインアンドスペースで2μm以下の配線パターンを形成できるという。

左は12インチウエハー型HRDPの外観、右はウエハー型HRDPの製品構造図 (クリックで拡大) 出典:三井金属鉱業

 三井金属鉱業によれば、既に20社を超える顧客がHRDPを評価中だという。今後、5G(第5世代移動通信)システムやHPCに向けたデバイスなどでHRDPの採用が見込まれていて、本格量産に乗り出した。

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